2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500533
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
清水 紀宏 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50196531)
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Keywords | 体育教師 / 学習 / 経験 / 信念 / 専門職意識 / 成長過程 |
Research Abstract |
本年度は、体育教師の資質能力を飛躍的に向上させたり、信念の形成に大きな影響をもたらした学習経験およびその系列を明らかにするため、2種類の質問紙調査を実施した。一つは、1)体育教師の抱く「よい授業イメージ」とはどのようなものか、2)それは教職経験の長さによってどのように異なるのか、3)授業イメージは、教師生活の歴史とともにいかに変容するのか、4)「授業イメージ」の形成に影響を及ぼす経験とはいかなる経験なのか、を明らかにするための自由記述式調査である。二つ目は、体育教師の信念(教師観、専門職意識、生徒観)、体育教師としての成長を促した経験、体育教師としての成長度等を定量的に明らかにするための選択回答式調査である。調査はいずれも、全国の中学・高等学校の保健体育教師各2000名を対象に郵送法により実施した。 データ分析によって、1)教職経験および入職前のキャリアによって体育教師の「授業イメージ」は大きく異なること、2)体育教師の授業イメージは、教職生活を通じて大きな変化を見せる者と大きく変化する者に分かれること、3)体育教師の専門職意識はあまり高いとはいえないこと、4)力量を高める経験のカテゴリー、5)経験が力量を高めるには適切な時期があること等を明らかにした。また、体育教師の成長経験に関する自由記述回答の分析から、入職後の重要な他者との出会い、授業への研究的取り組みが重要であるが、それらの経験の量は、学校種によって差が認められることが明らかとなった。 最後に、本研究の成果を総合的に検討し、体育教師が育つための環境整備、養成方法、研修のあり方についてガイドライン(指針)を作成している。
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Research Products
(1 results)