2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500537
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
深澤 浩洋 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 准教授 (50313432)
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Keywords | 意味生成論 / スポーツ / 教育学 / 哲学 / 内在的価値 |
Research Abstract |
本研究の目的は、スポーツにおいて経験する可能性のある意味生成の内容や生成のプロセス・要因について理論的に検討することである。そのため平成20年度に設定した課題は次のとおりである。 (1)意味論のレヴューを通して、特に、行為や経験を通じて発生する意味の特徴や本性を概念的に把握する。 (2)スポーツにおいてどのような意味が経験されるかについて、範疇論的検討を通じてその内容を整理する。 まず、メルロ=ポンティの意味論を中心として、彼の著作とその関連文献、意味生成論に関連する文献を蒐集し、それらについて電子データ化する作業を行い、一次分析を試みた。その結果、意味には言語化できるものと、かならずしもそうではないもののしかしスポーツ経験にとっては無視することのできないものがあり、それは意味と意味との間の変化を通じてわれわれに認識できる性質を持つのではないかという仮説にたどりついた。さらに、意味生成論を展開する上で、ベルクソンの生成論にその手がかりが求められる可能性があることが文献蒐集とその分析を通して見出され、これは本研究のさらなる発展をもたらすものと期待できる。また、スポーツ経験では、ピークパフォーマンスやゾーン、フローといった体験をスポーツの内在的価値の体験と捉え、得点などの結果といった言語化できる内容との間で意味生成が発生する可能性を見出した。
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