2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工炭酸泉連浴による筋毛細血管新生と筋持久力向上の可能性
Project/Area Number |
20500556
|
Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
山本 憲志 Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing, 看護学部, 准教授 (70299329)
|
Keywords | 人工炭酸泉 / 近赤外分光法 / 筋持久力 / 筋毛細血管新生 |
Research Abstract |
★近赤外分光装置による炭酸泉浸漬部の筋組織酸素動態の検討 人工炭酸泉連浴を行うことで、筋に供給される酸素運搬能力や酸素利用能力が増加する事が分かった。動物実験では、人工炭酸泉の連浴により虚血肢、正常肢の両方で筋毛細血管密度が増加したと報告されている(lrie et al., Circulation,2005)。筋毛細血管密度は筋持久力と密接な関係がある。従って、人工炭酸泉連浴は筋持久力にも影響を及ぼすかもしれない。この結果から人工炭酸泉連浴による浸漬部筋酸素動態の改善が示唆された。しかしながら、本実験は連浴期間が2週間と当初予定していた20日間を確保できず、今後更なる検討が必要であろう。 ★人工炭酸泉浸漬部皮下のpHの検討 麻酔下ラット10匹を用いて、背部を切開し、皮下pH測定用プローブを挿入できるスペースを確保し、水道水及び人工炭酸泉(ともに水温30℃)での心拍数、血圧、皮膚血流量、皮膚血管抵抗といった生体応答を確認した。炭酸ガスの皮下への透過を検討するため、皮下組織の上にセロハンを敷き、その上に自作した中空糸膜のプローブを置き、生理食塩水を還流させ、中空糸膜を介して浸透した体液のpHの変化を検討した。その結果、皮下のpHは水道水浴と比較し人工炭酸泉浴で有意に低下した。これは炭酸ガスが浸漬部皮膚を透過し、皮下まで達していたことを示す。従って、人工炭酸泉浴の血管拡張作用は炭酸ガスの直接作用である可能性が示唆された。この詳細なメカニズムについての実験が進行されている。 これらの結果について本年度は、英文論文1編、国内学会4回、国際学会1回の発表を行った。
|