2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工炭酸泉連浴による筋毛細血管新生と筋持久力向上の可能性
Project/Area Number |
20500556
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
山本 憲志 Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing, 看護学部, 准教授 (70299329)
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Keywords | 人工炭酸泉 / 近赤外分光法 / 筋持久力 / 筋毛細血管新生 |
Research Abstract |
★人工炭酸泉全身浴は心電図R-R間隔変動の周波数スペクトラム解析から求めたHF領域(0.15~0.4Hz)のパワーを増加させる(Satoら、2009)。副交感神経活動の亢進によるリラックス効果が期待される。本研究では最大下全身運動後の人工炭酸泉全身浴が局所および全身の疲労回復に影響するか検討した。被検者(男子大学生7名)は60%VO_2maxで10分間の自転車エルゴメーターによる運動を行い、その後、35℃の人工炭酸泉(CO_2:1000ppm以上)または水道水(20ppm以下)にそれぞれ10分間の全身浴、または運動後空気中安静め測定を、それぞれ日を変えて行った。ECG、血中乳酸濃度、筋硬度、VAS、唾液アミラーゼ、皮膚血流量、舌下温、フリッカー値が測定・記録された。人工炭酸泉浴では空気中安静と比較して舌下温(0.5%)、VAS(30%)、筋硬度(23%)が有意に小さく、浸漬部皮膚血流量は有意に大きかった。唾液アミラーゼ、フリッカー値に有意な変化は無かった。ストレスや脳神経系の疲労指標に影響するほどの運動負荷ではなかったと考えられ、筋硬度など局所の筋疲労回復に対する人工炭酸泉全身浴の効果を示唆するものと考える。 ★CO_2泉浴中の皮膚血管拡張に関与するプロスタグランディン(PG)種を同定し、その誘導機構を解明の手がかりを得るべく、CO_2泉浴による皮膚pHの変化をについて検討した。ラット皮膚で刺激によりPG産生酵素の発現が増加し、血管内皮ではpH減少がPG産生を促進すると報告されている。実験結果から、CO_2泉浴中は皮膚のpH減少により局所的にPGE2産生が促進され、付近の血管を拡張した可能性がある。RGI2の血管拡張作用PGE2の8倍との報告もあり、今回検出できなかった量のPGI2が関与した可能性は残る。 これらの結果について本年度は、英文論文1編、国内学会5回、国際学会1回の発表を行った。
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Research Products
(8 results)