2008 Fiscal Year Annual Research Report
両側体肢同時動作時に見られる機能低下現象に及ぼすトレーニング効果の生理学的機構
Project/Area Number |
20500558
|
Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
谷口 有子 International Budo University, 体育学部, 教授 (80217140)
|
Keywords | トレーニング / 両側性機能低下 / 反応時間 / 筋力 / CNV |
Research Abstract |
筋力発揮時にみられる両側性機能低下と反応時間に見られるそれとは異なるメカニズムによって制御されている可能性が示唆されているが、それぞれのメカニズムはこれまで個別に検討されてきており、同一の動作様式を用いて両者を調べた研究は見当たらない。そこで、同一動作を用いて筋力発揮時および反応時間課題遂行時の脳波を解析し、それぞれの両側性機能低下のメカニズムを比較検討し、「トレーニングによるbilateral deficitの特異的修飾」に大脳皮質レベルのメカニズムがどのように関与しているかを検討する。 2008年度は、CNVを用いて、反応時間に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムを検討した。体育大学学生14名を両側トレーニング群6名、一側トレーニング群4名、対照群4名に分け、視覚刺激に対して、できるだけすばやく等尺性示指外転筋力を発揮する単純反応時間を、両側同時、一側左、一側右の3条件で計測した。反応課題遂行中の脳波と左右の手の第一背側骨間筋から筋電図を記録した。測定はトレーニング開始前、3週後、6週後に行った。トレーニングは、測定と同じ装置を用いて、単純反応時間課題を10回×2セット、週3日、3週間、両側トレーニング群は両手同時に、一側トレーニング群は片手ずつ行った。対照群はトレーニングを行わなかった。 トレーニングによって、一側群では一側・両側条件に関わらず、全ての反応時間の項目に短縮方向への変化がみられ、CNVの振幅は一側C3以外が増加した。両側群では両側条件のEMG-RTが短縮方向に変化し、CNVの増加傾向がみられ、一側条件のMovement Timeの延長傾向がみられた。両側性反応動作特有のメカニズムや反応時間におけるトレーニング効果の特異性がある可能性が示唆され、本研究に用いた反応動作が筋力発揮を要する課題であったことから、大脳半球間抑制の脱抑制が起こったのではないかと推察した。
|
Research Products
(4 results)