2010 Fiscal Year Annual Research Report
両側体肢同時動作時に見られる機能低下現象に及ぼすトレーニング効果の生理学的機構
Project/Area Number |
20500558
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
谷口 有子 国際武道大学, 体育学部, 教授 (80217140)
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Keywords | トレーニング / 両側性機能低下 / 反応時間 / 筋力 / CNV |
Research Abstract |
筋力発揮時にみられる両側性機能低下と反応時間に見られるそれとは異なるメカニズムによって制御されている可能性が示唆されているが、それぞれのメカニズムはこれまで個別に検討されてきており、同一の動作様式を用いて両者を調べた研究は見当たらない。そこで、同一動作を用いて筋力発揮時および反応時間課題遂行時の脳波を解析し、それぞれの両側性機能低下のメカニズムを比較検討し、「トレーニングによるbilateral deficitの特異的修飾」に大脳皮質レベルのメカニズムがどのように関与しているかを検討する。 今年度も引き続き、CNVを用いて、反応時間に見られる両側性機能低下のトレーニングによる変化のメカニズムを検討した。両側トレーニング群、一側トレーニング群、対照群について、視覚刺激に対してできるだけすばやく等尺性示指外転筋力を発揮する単純反応時間を、両側同時、一側左、一側右の3条件で計測した。反応課題遂行中の脳波と左右の手の第一背側骨間筋から筋電図を記録した。測定はトレーニング開始前、3週後に行った。トレーニングは、測定と同じ装置を用いて、単純反応時間課題を10回×2セット、週3日、3週間、両側トレーニング群は両手同時に、一側トレーニング群は片手ずつ行った。対照群はトレーニングを行わなかった。 トレーニングによるMotor Timeの変化と筋力の変化の間には両側・一側条件ともに相関が認められた。発揮筋力の大小でMotorunitの動員数や発火頻度が異なり、筋力の立ち上がりに影響し、Motor Timeを変化させたと推察した。側トレーニング群はトレーニング後に筋力が増加方向へ変化し、両側トレーニング群は減少方向への変化がみられた。このことから、反応時間におけるトレーニングが一側性か両側性かによって反応動作時の筋力発揮レベルの変化に違いが生じる可能性が示唆された。
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