2012 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国における黒人身体能力神話およびスポーツへの固執と対抗言説・戦略
Project/Area Number |
20500560
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
川島 浩平 武蔵大学, 人文学部, 教授 (60245446)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 黒人 / アメリカ合衆国 / 身体能力 / スポーツ / 運動能力 / 人種 / アスリート / オリンピック |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の4点である。 1.アメリカ合衆国の史的文脈に黒人身体能力神話の起源・形成・普及を位置づける研究。歴史的方法論に基づき各種文献資料を利用して、19世紀から現在までに同国で神話形成がどのような道筋をたどったかを明らかにした。本年度は5年計画の最終年にあたることもあり、これは本プロジェクトにとって一つの区切りをつける成果である。 2.日本の史的文脈に黒人身体能力神話の起源・形成・普及を位置づける研究。その起点を探るべく、1928年のアムステルダム五輪、32年のロサンゼルス五輪、36年のベルリン五輪で活躍した黒人アスリートと日本人関係者がどのように邂逅し、交流したかを検討する。調査の中間報告的な位置づけとして、3回の口頭発表を行った。 3.特定の時代に焦点を絞り、運動能力・身体能力と人種・民族的アイデンティティの関連をより深く考察する研究。そのために、19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した、アメリカのスポーツ界に少数ながら存在した混血のアスリートに注目し、彼ら・彼女らに関する資料を講読し、アスリートたちのアイデンティティの実態と、アスリートたちがアイデンティティと自己の運動能力・身体能力をどのように関係づけていたかを探った。これは、身体能力神話の歴史的な位置づけを明確化するために有効なアプローチであると考える。この成果は現在執筆中で、東大出版会から共編著で発表する予定である。 4.アメリカ合衆国を起源とする身体能力神話が、グローバルにどのように普及・浸透したかについての研究。そのための一つのステップとして「ベースボール大国」ドミニカ共和国と「スプリント王国」ジャマイカに足を運び、二つの国でどのようにそれぞれが得意とする競技種目が発展したか、そしてアスリートが自己の優劣と人種・民族的アイデンティティをどのように関連付けているかの予備調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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