2009 Fiscal Year Annual Research Report
スペクテイタースポーツが都市コミュニティの再生に及ぼす影響について
Project/Area Number |
20500562
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
西山 哲郎 Chukyo University, 現代社会学部, 准教授 (10263188)
|
Keywords | スポーツ / コミュニティ / 地域振興 / プロ野球 / 都市 |
Research Abstract |
サッカーJリーグの発足以来、スペクテイタースポーツは地域振興との関係で注目されるようになった。プロ野球でも、仙台における楽天球団の設立や日本ハムファイターズの優勝が地域にもたらした興奮は、スポーツによる地域振興が、小規模な「町おこし」にとどまらず、経済・文化の東京-極集中と「郊外化」に苦しむ地方大都市圏の再生に寄与しうることを示した。本研究は、中日球団の協力を得て、スペクテイタースポーツによる名古屋都市圏の文化的活性化を模索し、都市コミュニティの再生を図るものである。 本年度は、本調査の対象都市圏におけるプロ野球の位置づけに関する現況を知るために、名古屋のほか、阪神地区と新しいプロ野球用球場のできた広島を比較対象として、球場・球団を取り巻く実情をある程度まで把握した。また主たる調査地である名古屋都市圏では、一昨年と同様、ナゴヤドーム以外の拠点でもプロ野球ファンが行う活動を調査した。昨年は特に、キャンプ地である沖縄に足を運んだファンと、プロ野球球団を看板に景気浮揚をはかる商店街の役員などに聞き取り調査を行った。さらにアンケート調査については、ナゴヤドームにおいて(一昨年のものから調査項目を一部修正しながら)大規模な意識調査を行った。 それ以外にも、名古屋都市圏における「野球人」の形成過程を探るために、第二次世界大戦以前から全国的な野球強豪校であった中京商業とその後身にあたる中京大学附属中京高校ならびに中京大学の出身者、あるいはそこで活躍した指導者に焦点を当て、この地域の「野球文化」の展開をある程度まで把握できた。 以上の成果については、特にアンケート結果を中心に研究代表者が所属する学部ホームページで紹介している。また、代表者が調査のバックボーンとなる理論研究をまとめ、博士論文として大阪大学に提出し、受理されている。
|
Research Products
(2 results)