2009 Fiscal Year Annual Research Report
予防と早期治癒をめざしたスポーツ傷害者の為の心身調律プログラム
Project/Area Number |
20500568
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
伊達 萬里子 Mukogawa Women's University Junior College Division, 健康・スポーツ学科, 教授 (10155294)
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Keywords | スポーツ傷害 / ストレス / 性差 / 心理的対応策 / 身体的対応策 |
Research Abstract |
昨年度の報告では女子大学のアスリートを対象として,スポーツ傷害による心理面への影響について分析した.結果,外傷・障害経験者は受傷によって重篤なストレス負荷を齎す事が示唆された. これは,リハビリテーションにも影響を与え,競技続行に大きな支障をきたす恐れがあると考えられる.今回の研究は,性差に着目した観点から更にストレス負荷の傾向を明らかにし,早期治癒を図るための基礎資料を構築する事を目的とした.結果,受傷に対する男女の情動的反応の差異が明らかとなった. 女子学生の受傷直後の精神状態では,外傷経験者は悲観的感情が誘因となってマイナス思考に陥り易い事が判明したが,反面,プラス思考や自分自身を静観視する傾向が認められた.また,リハビリテーション中は外傷・障害経験者ともに女性特有の身体的な愁訴に顕著な特徴が認められたが,精神面の愁訴が比較的少ない事が特徴として挙げられた.そこで,外傷経験者に対しては受傷時の心理的対応策と,治癒過程での身体的対応策が,障害経験者には治癒過程での身体的対応策を講じる必要性が示唆された. 次に,男子学生の受傷直後の精神状態では,外傷・障害経験者ともに女子学生と同様の悲観的感情に囚われ,更に不甲斐なさをも併せ持つ心理状態を示していた.また,リハビリテーション中では外傷経験者は精神面や身体面,生活面ともにストレスの疲はい期を示し,障害経験者は身体面での愁訴が認められた.そこで,外傷経験者に対しては受傷時の心理的対応策と治癒過程における心理的・身体的対応策が,障害経験者には受傷時の心理的対応策と治癒過程での身体的対応策を講じる必要性が示唆された.
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