2009 Fiscal Year Annual Research Report
習慣的な自発性走運動は、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)を抑制するか?
Project/Area Number |
20500575
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
佐久間 邦弘 Toyohashi University of Technology, 体育・保健センター, 准教授 (60291176)
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Keywords | 加齢 / サルコペニア(加齢性筋肉減弱症) / 骨格筋 / SRF / 筋萎縮 |
Research Abstract |
年をとると、骨格筋の細胞が萎縮、脱落するために、筋力が著しく衰えてくる。超高齢化社会を迎える我が国においては、この老化にともなう筋萎縮をできるだけ軽減し、高齢者が健康的により長く生活できるようにすることが急務である。しかしながらこの加齢にともなう筋萎縮(サルコペニア;加齢性筋肉減弱症)の分子メカニズムについては、これを誘導するいくつかの候補(Atrogin-1, MuRF1, Akt etc)が挙げられているものの、まだまだはっきりしない部分が多い。私は筋肥大に重要な役割を持つserum response factor(SRF)に注目して研究を進めている。実際に加齢期のマウス骨格筋では、SRFおよびその上流で働くMRTF-Aの蛋白量が有意に減少している(Sakuma K et al., Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis 1782 : 453-461, 2008)。このSRF関連物質の減少が、長期間の走運動で抑制できるのかどうかについて調べることを目的とした。実験には18ヶ月齢のC57Black/6J雄マウスを用いて、自発回転ケージで自由な走運動を6ヶ月間行わせた。運動をさせなかったコントロール群と比較して、体重あたりの筋重量が運動群で有意に高値を示した。Western blotを用いたデータから、走運動によるMRTF-AおよびRhoAタンパクの有意な量的変化はみられなかったが、SRFのタンパク量は有意に増加することが確認できた。また蛍光免疫組織化学での検討から、SRF免疫活性を細胞質に有する筋線維の割合が長期間の走運動で増加することがわかった。したがって、加齢性筋肉減弱症(サルコペニア)は自発的な走運動で軽減され、その理由としてSRF経路不全の改善が想定されることがわかった。
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