2009 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧発症モデルにおける運動の脳神経系への影響に関する研究
Project/Area Number |
20500588
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
宮本 修 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (00253287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住谷 和則 香川大学, 医学部, 教務職員 (40294772)
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Keywords | 高血圧自然発症ラット / 運動 / 海馬 / ダークニューロン / ストレス |
Research Abstract |
生後10週齢雄の高血圧自然発症ラット(SHR)と正常血圧対照ラット(WKY)をそれぞれ運動群と非運動群に分けた。運動群については、トレッドミルによる運動負荷を行う際に運動強度を20m/分と30m/分の2種類に分けた(いずれも30分/日x3週間の運動負荷)。所定の期間の運動終了時点でストレスホルモンであるACTH、コルチコステロン、アドレナリンの血中濃度を測定した。また、脳を取り出し、脳切片を作製して各種組織染色を行った。30m/分の高強度運動を負荷したSHRの3割に、核が濃縮して細胞全体が萎縮した、いわゆる"ダークニューロン"が脳の海馬錐体細胞層を中心に観察されたが、WKY運動群および20m/分で運動させたSHR群にはダークニューロンが見られなかった。ストレスホルモンについては、SHRとWKYの運動群で運動強度が大きくなるほど有意に上昇していた。さらに運動群ではストレスタンパクであるc-fos陽性の細胞が増えていた。これらのストレス性因子の発現についてはSHRとWKY群とでは差がなかった。以上のことより、運動強度が上がるほどストレス負荷が強くなるが、高血圧ラットの海馬神経細胞の方が正常血圧ラットに比べてストレスに対して脆弱であることが示唆された。また、トレッドミル走行におけるラットの乳酸閾値は20m/分近傍にあることが報告されているが、乳酸閾値を大きく超えるような運動負荷を加えると脳細胞障害のリスクが高くなることが分かった。
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Research Products
(3 results)