2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500595
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 千史 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (60154069)
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Keywords | 咀嚼 / 疲労 / 作業効率 / 内田クレペリンテスト |
Research Abstract |
先行研究において咀嚼による脳や認知機能への影響は調査されているが、ガム咀嚼をしながらの単純作業と、疲労感にどのような影響があるのかについては明らかにされていない。そこで平成20年度は、児童を対象とした介入研究の事前調査として、ガム咀嚼が作業効率と疲労に与える影響に関して予備的研究を行った。 14名の健康な男女を2:1となるよう2群に割り付け、介入群(9名)はガム咀嚼をしながら、対照群(5名)はガム咀嚼はしない状態で内田クレペリンテストを行った。また、クレペリンテスト前後の身体・精神疲労度をVisual Analog Scaleを用いて測定した。 その結果、作業後の精神疲労度とクレペリン作業量とに負の相関関係がみられた(p<0.05)。また、精神疲労が高いほど作業量が少ない結果となった。クレペリン作業量には2群間で有意差はみられなかった。クレペリン前後での疲労度の変化では、対照群において身体疲労度が作業後に有意に増加し(p<0.05)、介入群では有意な変化はみられなかったものの精神疲労度が低下した。以上より、クレペリン作業中のガム咀嚼により、作業後の疲労が軽減される効果のあることが明らかとなった。 これらの結果から、平成21年度以降に実施予定の児童を対象とした咀嚼の介入研究では心身の健康維持・向上に効果が期待できることが示唆された。
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