2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神機能と生活習慣行動特性およびメタボリックシンドローム出現との関連性の検討
Project/Area Number |
20500598
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長野 真弓 Kyushu University, ユーザーサイエンス機構, 客員准教授 (10237547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 秋三 九州大学, 健康科学センター, 教授 (80145193)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 心の健康 / 生活習慣 / 体力 / 身体活動量 |
Research Abstract |
本研究では、精神機能や感性(刺激に対する心の働き)が、どのような生活習慣行動特性に関与しているか、また、それがメタボリックシンドローム(MS)の出現と関連しているか否かを明らかにすることを主たる目的とする。 本年度は、3年間の研究期間の初年度であることから、年度前半は本課題にかかる情報収集、年度後半は上記目的達成のための測定会設定・データ収集を実施した。具体的測定項目は、体力・身体活動量・形態・生活習慣・精神健康度(GHQ30項目版による)・ストレス対処能力(SOC)・内臓脂肪面積・血液成分とした。来年度も引き続き、できうる限り多くのデータを蓄積すべく調査を続行予定であるが、現時点では、収集したデータの一部解析により、以下に示す成果が得られている。 近年、メタボリックシンドロームの表現型の1つとして非アルコール性脂肪肝がトピックとなっている。 未治療・未介入の新規糖尿病患者のうち、エタノール摂取量が男女でそれぞれ20g・10g/日未満であった92名において、性・年齢・病型・エタノール摂取量・喫煙・VFA・インスリン・その他の代謝異常で調整しても、中・高体力群における高ASTおよびALT高値出現オッズ比は低体力群よりも有意に低く、好ましい水準の全身持久力は肝機能高値出現の抑制に貢献している可能性が明らかになった。代表研究者らの先行研究において、精神健康度不良者の脂肪肝の指標が精神健康度良好の者より有意に悪化していたことを考え合わせると、悪化した精神健康度が身体活動量の低下ひいては体力の低下に関連している可能性が示唆された。 以上の結果は、日本体力医学会において発表され、来年度前半には論文投稿が完了する見込みである。その他のデータについても、順次本課題の目的に沿って解析する予定である。
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Research Products
(2 results)