2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の身体活動・外出・社会参加に影響する環境要因に関する研究
Project/Area Number |
20500604
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
井上 茂 Tokyo Medical University, 医学部, 講師 (00349466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 浩一朗 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (00318817)
北畠 義典 明治安田生命厚生事業団体力医学研究所, 運動生理学教室, 研究員 (00450750)
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Keywords | 社会医学 / 行動学 / 環境 / 地理情報システム / 高齢者 / 身体活動 / 歩行 / 予防医学 |
Research Abstract |
【地域高齢者を対象とした調査】 初年度に作成した環境評価質問紙、高齢者の身体活動・外出・社会参加・体力等に関する質問項目を用いて、郵送による横断調査を実施した。対象者は65-74歳の地域在住高齢者であり、地域性を考慮して(1)東京都文京区(都心)、(2)東京都府中市(郊外)、(3)静岡県駿東郡小山町(地方の田園地域)の住民基本台帳よりそれぞれ900名(マルチレベル分析を可能にするために各都市より15地区を抽出し、各60名の対象者とした)、計2,700名を無作為に抽出した。調査項目は身体活動、自宅周辺の歩行環境、外出、社会参加、体力、ソーシャルキャピタル、QOLなどであった。身体活動環境の研究に関する従来の知見を踏まえて、身体活動は行動の目的(例えば、単に歩行時間を評価するのではなく、買い物、散歩といった目的別の歩行時間)に注目して評価した。また、身体活動環境については坂道、路面の凹凸など、従来の研究ではあまり取り上げられなかった項目を追加した。調査の結果、2,046名(男性50.5%、年齢69.6±2.9歳、回収率75.8%)より研究への同意と回答が得られた。調査結果の詳細な解析は平成22年度に行う。 【地理情報システムを用いた環境評価】 海外の研究事例等を参考にして、地理情報システムを用いて身体活動環境を評価する手法について検討した。住居密度、道路の連結性、混合土地利用度(サービスへのアクセス)、運動施設へのアクセス等が評価すべき項目として同定できた。また、これらの指標を既存の統計情報(国勢調査など)から抽出する方法について検討を行い、最終年度に実施する地域調査の結果と地理情報システムによる環境評価のリンクのための準備を整えた。 当初、調査対象者数は1,200名を予定していたが、検出率を高めて層別解析等のより詳細な検討を可能にするために2,700名に対して調査を行った。計画以上の成果が得られたと考えている。
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