2008 Fiscal Year Annual Research Report
利用と防災を兼ねた人工サーフィンリーフに関する研究
Project/Area Number |
20500611
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Research Institution | Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute |
Principal Investigator |
鈴木 高二朗 Independent Administrative Institution Port and Airport Research Institute, 海洋・水工部, 主任研究官 (50360764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下迫 健一郎 (独)港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, チームリーダー (30392971)
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Keywords | 海洋利用 / サーフィン / スポーツ / 防災 |
Research Abstract |
新たな海域制御構造物である、防災と利用を兼ねた人工サーフィンリーフの開発を目的として、人工サーフィンリーフに関する水理模型実験、および現地調査、海外の事例調査を実施した。その結果、以下のことが明らかとなった。 サーフィンリーフはその上で波を砕波させるため、リーフ背後で波が小さくなる。波の屈折効果により波がリーフ先端部に集まってくるため、波の消波性能が高いことが分かった。ただし、サーファーの安全性を考慮して、天端の水深を深くし、さらにブーメラン型とすると、波が砕けにくく、サーフィンも出来なくなる傾向にあることが分かった。サーフィンができる波の波高は、干潮時には1m以上、潮位1m時には1.5m以上、満潮時には2m以上となり、特に周期の長いうねりが砕けにくい傾向にある。 和歌山県の那智勝浦湾で、水理模型実験と数値計算等で求めた稼働日数は年間57日程度だった。このようにサーファーの安全性と稼働日数は相反する傾向にある。今後、サーファーの安全性を保ちつつ、波も砕けやすい構造とするための研究開発が必要なことが分かった。 平成20年度に、本研究代表者が発起人となり、サーフィンを科学的に捉えようとする第1回サーフィンサイエンス&テクノロジーシンポジウム(当研究所主催)を開催したところ、各界から60名を越す参加者があった。本研究代表者は人工サーフィンリーフに関する発表を行い、本研究の成果を発表した。この内容は、"サーフィンライフ"等の大手サーフィン雑誌や"波伝説"等の大手携帯波浪情報サイトで紹介され、大きな反響が得られた。今後も、継続してシンポジウムを開催し、将来的に研究会、学会へと発展する予定である。
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