2009 Fiscal Year Annual Research Report
トランスセオレティカル・モデルに基づいた保健指導プログラムの有用性の検討
Project/Area Number |
20500615
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 寿一 Nagoya University, 医学部附属病院, 講師 (10285223)
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Keywords | 行動変容 / 保健指導 / トランスセオレティカル・モデル / メタボリックシンドローム / ステージング / URICA |
Research Abstract |
従来の保健指導における問題点を抽出するために、平成21年度に行った保健指導が困難な対象者および状況をテーマとするフォーカス・グループ・ディスカッションの内容をSCAT(Steps for Coding and Theorization)を用いて分析を行った。 平成21年度に立案した健診受診者のニーズに応じた保健指導を行うために必要な能力の習得を目標とした研修カリキュラム(1回90分×全8回のレクチャーおよび実習)に則った研修を、保健指導現場で働いている保健師、栄養士、健康運動指導士ら12名を対象に行った。 某社における2008年度定期健康診断にて積極的支援または動機付け支援レベルと判定された男性を対象に、特定保健指導の効果について検討した。積極的支援レベルで保健指導を受けた群と受けなかった群、動機付け支援レベルで保健指導を受けた群と受けなかった群のいずれの群も、2009年度定期健康診断における体重およびHbAlc値は有意に低下していた。腹囲は積極的支援レベル群のみ指導の有無に関わらず有意に低下していた。対象者全体を、自記式質問票による行動変容のステージが、2008年度の健診時に比して2009年度の健診時に前進した群、変化がなかった群、後退した群とに分類し、各健診項目の1年間の変化量を比較したところ、体重、BMI、腹囲、総コレステロール値、GOT値、GPT値、γGTP値、尿酸値において、3群間で有意差を認めた。これらの結果から、特定保健指導そのものが健診結果に有意な変化をもたらすとは言えないこと、一方、行動変容ステージが前進した場合に健診結果が改善することが明らかとなった。すなわち、行動変容ステージをどのようにして前進させるかが保健指導のキーになること、さらには、行動変容ステージに対応した保健指導が重要であることが示唆された。
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