2008 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の早期リスク評価を目的とした運動負荷後血管機能検査法の開発
Project/Area Number |
20500622
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
高波 嘉一 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学部, 准教授(寄附講座) (40206777)
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Keywords | 生活習慣病 / 運動負荷 / 血管機能検査 / 動脈硬化 / 動脈スティフネス / 血管内皮機能 |
Research Abstract |
本研究に対する補助金の交付内定が遅い時期であったため研究開始が遅れ、今年度は基礎検討の予備調査のみの実施となった。血管機能検査として、これまでの使用経験、再現性等を考慮し、上腕-足首脈波伝播速度(baPWV)測定を採用した。BaPWVは主に中心動脈および下肢の動脈のスティフネスを示す指標であるが、血管内皮機能を一部反映することも報告されており、また臨床的に冠動脈硬化の進行ともよく相関することが知られている。この臨床的にも繁用されるbaPWVが様々な形態の運動および負荷により、実際にどのように変動するかをまず検討した。自転車エルゴメーターによる10分間の運動負荷前後でbaPWVを測定したところ、baPWVは明らかに低下した。またステップ台を用いたステップ昇降運動を、ややきつい程度の強度で10分間継続して行い、その前後でのbaPWVの変化を見たところ、運動後に明らかなbaPWVの低下が観察された。身体的要因等により運動ができないケースも考えられるので、他動的な負荷による刺激がbaPWVに及ぼす影響を検討した。負荷法としては、微細振動を発生するプレートの上で一定の姿勢を保持するホールボディーバイブレーション(WBV)を採用した。1分間×10セットのWBV試行の前後でのbaPWVの変化を見たところ、施行20分後、40分後にベースラインに比べて明らかなbaPWVの低下が観察された。これらの結果より、様々な運動形態や負荷により血管機能の指標であるbaPWVが低下することが示された。
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