2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満ペプチド投与と運動療法によるメタボリックシンドローム改善の基盤研究
Project/Area Number |
20500634
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
竹ノ谷 文子 Hoshi University, 星薬科大学・薬学部, 講師 (30234412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
影山 晴秋 昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90130757)
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Keywords | 抗肥満ペプチド / 運動療法 / エネルギー代謝 / 肥満改善 / ラット / GALP(ガラニン様ペプチド) / 機能形態解析 / ニューロン |
Research Abstract |
我々は、抗肥満ペプチドであるGALPを利用し、点鼻投与と走行運動の併用により効果的なエネルギー代謝、つまり摂食量や体重を減少させ、肥満解消を狙う新規運動療法開発の基盤を築くことを研究構想としている。その為、本年度においては、まず、 GALPによる摂食調節作用の詳細を明らかにした。ラット脳室内投与を行い、摂食量および体重を測定したところ、24時間後の有為な減少が見られた。これまで我々は、機能形態学的解析を行い、 GALPは脳内に分布し、複数の摂食調節ニューロンとネットワークを形成することを報告しているが、ラットの種差などの観察比較は行われていない。そこで、種差および系統別による脳内GALPニューロンネットワークを観察した。その結果、種差などによる大きな差は見られなかったことから、 GALPの摂食抑制と体重減少効果はより明確になった。さらに、 GALP投与による酸素消費量、心拍数、体温を測定したところ、濃度依存的に心拍数、酸素消費量は上昇を示した。深部体温は150分後にピークの上昇を示すが、熱放散を示す皮膚温の変化はみられなかった。脳内プロスタグランジン系を介する経路をブロックすると、 GALPの熱産生の効果はみられなかた。 GALP投与により、プロスタグランジンの産生部位であるアストログロアのcFosの誘導が観察された。また本年度後半によりGALP点鼻投与法を確立し、数匹の実験ではあるが、摂食抑制と体重の減少傾向を認めている。これらの実験結果は、学会、シンポジウムおよび研究会等で発表された。
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