2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗肥満ペプチド投与と運動療法によるメタボリックシンドローム改善の基盤研究
Project/Area Number |
20500634
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Research Institution | Hoshi University |
Principal Investigator |
竹ノ谷 文子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (30234412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
影山 晴秋 昭和大学, 医学部, 助教 (00433839)
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90130757)
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Keywords | 抗肥満ペプチド / 運動療法 / エネルギー代謝 / 肥満改善 / ラット / メタボリック / 高次脳 / 機能形能解析 |
Research Abstract |
抗肥満作用をもつガラニン様ペプチド(GALP)を点鼻投与することにより、エネルギー代謝亢進、摂食抑制作用、体重減少をさせ、さらに運動を付加させることにより、効果的なメタボリックシンドロームや肥満改善のための新規療法の開発を目指した。昨年の検証された、GALP点鼻投与により、G乱Pが脳実質への確実に運ばれ、しかも、皮下投与や静脈投与よりも効果的に脳内各部へ運ばれること、さらに骨格筋などのグルコースの取り込みの増加が確認されたことをふまえ、本年度は野生マウスによるGALP点鼻投与の摂食量や体重減少を確認した。しかし、GALP点鼻投与により、運動量には変化はなく、体温上昇や熱産生の上昇がみられたことから、GALPは発熱物質であることが示唆された。さらに、レプチン欠損マウスである肥満マウス(C57B/B6,0b/ob)を用いてGALP点鼻投与の抗肥満効果をしらべたところ、24時間後の摂食量、飲水量、行動量、体重が減少した。さらに肥満マウスにおいても7日間の連投で体重、摂食、飲水抑制効果を確認した。さらにGALP点鼻投与による摂食抑制効果は、野生型よりも肥満型マウスにおいて顕著であることが明らかになった。この抗肥満効果は味覚嫌悪によるものではない事が確認できた。更に走行運動を併用することにより、より効果的な肥満効果が見られることも明らかになった。これらの実験観察結果から、GALPの点鼻投与は抗肥満の治療・予防に有効であると考えられた。現在、GALPのドラックデリバリーシステム(DDS)に向けて検討中である。これらの実験結果は国内・国外での学会、シンポジウム、招待講演で発表を行った。さらに多くの総説などでも発表した。
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