2010 Fiscal Year Annual Research Report
家族と近隣の人間環境からみた21世紀型市民のライフスタイルとその支援策
Project/Area Number |
20500650
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
時岡 晴美 香川大学, 教育学部, 教授 (10155509)
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Keywords | 人間生活環境 / ライフスタイル / 人間環境 / 家族 / 育児支援制度 / 近隣関係 / 学校支援地域本部事業 |
Research Abstract |
昨年度までの研究成果を受けて、家族と近隣の人間環境の変容と再構築について検討した。育児支援体制を中心とする公的サポート・私的サボート制度に関する追跡調査を行った結果、育児支援の公的サボート体制の利用を契機として新たな関係が生じていること、それが発展していくことによって近隣関係が再構築されるというケースが認められることなどが明らかになった。また、現代の近隣関係再構築の契機となりうる取り組みとして学校支援地域本部事業に注目し、先進事例における地域ボランティアの活動実態とその評価に関する調査結果から、学校を中心として地域の人間環境が再構築される可能性が示された。すなわち、学校をとりまく近隣や地域の人間関係の再構築は、かつてのような「近所づきあい」が復活するというよりは、家族をサポートする公的制度の利用や自発的な参加による諸活動を契機として生じることが示唆された。このことは、地縁による近隣関係といったゲマインシャフト的な組織ではなく、むしろ、近隣でありながらもゲゼルシャフト的な集団あるいは関係として存立するものと捉えることができ、まさに21世紀型市民のライフスタイルを示すものといえる。 さらに、これまでの研究成果を取り纏めて、持続可能なライフスタイル構築のための人間環境の支援策について検討し、公的制度や一般的な私的サポートに加えて、より個別の事例に適合する小さな取り組みも必要であり、これらの支援策が複合的・多面的に整備され、相互に補完・棲み分け・融合する関係を構築することによって、21世紀型である連立家族のライフスタイルの支援が可能になることを提言した。
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Research Products
(5 results)