2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児への絵本の読み聞かせとコミュニケーション能力の発達
Project/Area Number |
20500660
|
Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
佐々木 宏子 鳴門教育大学, 社会連携課, 非常勤研究員 (20122921)
|
Keywords | 赤ちゃん / 読み聞かせ / コミュニケーション / 物語絵本 / ナンセンス・ユーモア絵本 / 絵本の記録 / 読み手の巧みさ |
Research Abstract |
目的:本年度の研究目的は、1.親子が絵本を読み合う時の様々なコミュニケーションの力量差はどこから発生するか、2.絵本に興味を持たない子の理由は何が、3.読み手の親の世代間伝承について4.記録が3年目に入った研究協力者に新しい絵本を供与しその反応の違いの分析を行う、等である。方法と研究協力者:札幌市(北海道)、岡山市(岡山県)、鳴門市(徳島県)、京都市(京都府)の4地域から約20組の親子を選抜し、A「ユーモア・ナンセンス絵本」、B「物語絵本」を本年度も各20冊配布し(協力者の開始年の違いもあり一律ではないが)、合わせて今までに配布した計60冊の絵本がそれぞれどのように読み合われたかの詳細な記録を収集した。 研究成果:1.基本的には親子で読み合いの質が高く記録も長期に継続した協力者は、読み方に随所に興味深い工夫が見られな。たとえは『まてまてまて』(こぐま社)では、緊張感の高まりにつれて読みの声を高めて行く、『ぴょーん』(ポプラ社)では、2見開きごとの跳躍の仕掛けを2.3度繰り返してvisual literacyが形成できるように強調する、『どうぶつのおかあさん』(福音館書店)では子どもが「これなあに」としきりに動物の名前を尋ねるが、その行為は逆に子どもが言いたがっていると解釈し「○○ちゃんこれなあに教えて」と答えさせ、子どもに満足感を与えるなどである。途中で記録が頓挫してしまう協力者には、あまりコミュニケーショシ(読みの)工夫が見られなかった。2.絵本に興味のない子は様々な理由がある。今回の選書絵本よりも市販の絵雑誌スタイルの絵本の方が好きな場合、兄姉がいて遊ぶ方が面白い、0. 1. 2歳代は興味がなくても3歳過ぎから急激に絵本へと接近するなど、理由は多様であり、もう少し時間をかけての追跡が必要と思れる。 本年は、3歳くらいから絵本へと興味を持ち始めた一男児の記録DVDを完成させた。
|
Research Products
(2 results)