2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500665
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
宮崎 清 Chiba University, 名誉教授 (90009267)
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Keywords | 資源循環型 / サステイナブル / 伝統文化 / 環境技術 / 環境材料 / 環境対応 / 環境調和型 / 農林水産 |
Research Abstract |
本研究は、日本の各地において育まれてきた「資源循環型生活」の実相を、インテンシブな調査に基づき多面的に採集し、今日の生活に創造的に再生・創生・実践するための具体的方策を導出することを目的としたものである。平成20年度においては、日本各地をフィールドとして文献資料ならびに現地溝査を行い、これまでになされてきた「資源循環型生活」に関する知恵と行為、あるいは、今日において志向されている「資源循環型生活」に関する具体的事象を収集した。(1)文献調査:市町村史誌や写真・絵画など地域の生活文化を伝こえる各種資料より、「資源循環型生活」に係わる諸相を抽出し、それらがどのような精神文化に裏打ちされていたかについての検討を行った。とりわけ、地域が産出する自然素材を活用したさまざまなものづくりやケやハレの生活における活用、制作工程から廃棄にいたる過程、再生や廃棄の具体的方法等の諸相を、多面的角度から解析した。(2)現地調査:現地調査ならびに参与観察に基づき、「資源循環型生活」の実相の採取を行った。地域社会に継承されている「資源循環型生活文化」は、総じて多様かつ構造的であるが、地域住民は、ときとして「資源循環型生活」の後進性を卑下し、自らの地域には評価にたる生活文化は「何もない」といった認識を抱いている場合が少なくない。そのため、アンケート調査のような方法では「資源循環型生活」が浮かびあがってくる可能性が高いとは言い難い。それゆえ、本研究においては、インテンシブな調査を実施することによって、各々の地域が有する潜在的な「資源循環型生活文化」を顕在化することに主眼を置いた。
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