2008 Fiscal Year Annual Research Report
メディアとしての生活環境色彩の視覚的作用と感覚的作用に関する研究
Project/Area Number |
20500668
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡本 幾子 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (00135766)
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Keywords | 生活環境色彩 / 衣生活 / 食生活 / 住生活 / 視覚情報 / 視覚的作用 / 視線分析 / 感覚的作用 |
Research Abstract |
生活環境の様々な状況認識にっいては,視覚機能がおよそ90%の情報を処理しており,生活環境色彩はコミュニケーション・メディアとして重要な役割を担っている.本研究は,生活環境色彩の視覚的作用と感覚的作用に関して,衣食住の具体的事例を対象とした実験解析ならびに検証を行い,日常の視覚生活におけるカラーコンフォート(色彩快適性)に寄与することを目的としている. 初年度は,「ファッションカラーにおける誘目性」および「色と料理の関係」にっいて,モニター上に提示した刺激に対する被験者の眼球運動を計測し,視線分析を行った. まず,被服の上衣・下衣をモデル化した2色配色の刺激を作製して配色が誘目性におよぼす影響を検討した.色相を基準とした配色では,上衣が暖色の場合,誘目性に差が認められないが,中性色では中差色相の誘目性が,寒色の場合には補色色相の誘目性が顕著に高くなる傾向認められる.明度差を基準とした配色では,明度差4.0以上の対照明度の場合に誘目性が高い.無彩色と有彩色の配色では,対照彩度の誘目性が高く,同一色相による配色では,同一彩度の誘目性が高いことなどが明らかになった. っぎに,ランチョンマット,プレート,ハンバーグ,付け合わせを刺激としてモニター上に提示し,被験者が美味しそうと感じる料理を完成させるプロセスにおける視線分析を行った.料理をハンバーグと規定して行った本研究では,被験者の多くが提示されたアイテムを比較した後に,ランチョンマット→プレート→付け合わせ→ハンバーグの順で料理を完成させた.また,付け合わせの決定と配置に時間をかける(注視時間が長い)被験者が多くみられた.視線の軌跡分析から,被験者が最初に見たアイテムと最終的に完成させた料理には関連性がほとんど認められないことなどが明らかになった.
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