2009 Fiscal Year Annual Research Report
メディアとしての生活環境色彩の視覚的作用と感覚的作用に関する研究
Project/Area Number |
20500668
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
岡本 幾子 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 教授 (00135766)
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Keywords | 生活環境色彩 / 衣生活 / 食生活 / 住生活 / 視覚情報 / 視覚的作用 / 視線分析 / 感覚的作用 |
Research Abstract |
生活環境の様々な状況認識については,視覚機能がおよそ90%の情報を処理しており,生活環境色彩はコミュニケーション・メディアとして重要な役割を担っている.本研究は,生活環境色彩の視覚的作用と感覚的作用に関して,衣食住の具体的事例を対象とした実験解析ならびに検証を行い,日常の視覚生活におけるカラーコンフォート(色彩快適性)に寄与することを目的としている. 平成21年度は「色と料理の関係」および「リビング・カラーと視覚作用」について,モニター上に提示した刺激に対する被験者の眼球運動計測を計測し,視線分析を行った. 色と料理の関係では,料理のおいしさを決める大きな要素である「盛り付け」に注目した.今年度は,日本料理の盛り付けについて検討を行った.快適度指数を指標に,分割数30のモザイク画像を刺激として採用した.基本色分布ならびに色度分布より,日本料理の盛り付けに関しては白・灰・茶を基本とする色彩構成が多く認められた.被験者は料理を見る際に,視線を料理の中央に停留させる傾向がある.また,被験者が日本料理を「"より"おいしそう」と感じる要因として,アクセントカラー効果があることを明らかにした. リビング・カラーと視覚作用では,リビングルームにおける色彩の快適性について検討を行った.絨毯とソファーの配色について,快適度指数を指標とし,ムーン・スペンサーの色彩調和論の「同一の調和」と「対比の調和」を基に刺激画像を作製した.停留点軌跡分析,アイマーク軌跡分析ならびに停留点時間分析を行った結果,同一色相よりも対比色相の刺激画像を快適とする被験者が多くみられた.被験者は快適性を判断する過程で,リビングルーム内のソファーを見比べている.また,赤紫~黄を注視する傾向が認められた.リビングルームの色彩やトーン,色彩の誘目性などが快適性に影響をおよぼすことなどが明らかになった.
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Research Products
(1 results)