2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳がんや子宮がんなどの女性がん患者が放射線治療時に着用する衣服の開発
Project/Area Number |
20500669
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 真理 Kobe University, 人間発達環境学研究科, 准教授 (20294184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 良平 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (30346267)
岡本 欣晃 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20362791)
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Keywords | 放射線治療衣 / 乳がん / 皮膚マーカー / 衣服材料 / 風合い / 皮膚表面線量 |
Research Abstract |
がんの治癒率は飛躍的に向上している中で、患者の関心は治療中、治療後の生活面での環境の改善(Quality of life: QOL)に移りつつある。特に女性がん患者にとっては、実際の放射線治療中に恥ずかしさや不快な感情を我慢しなくてはならない切実な問題であることから放射線治療時に着用する衣服の開発が急務である。本年度は以下の5点にわたって研究を展開した。 1.放射線治療衣の必要条件の検討:乳がん患者の放射線治療時の衣服に必要な条件を明らかにした。その結果、着脱の問題、放射線照射ポイントである乳房または皮膚マーカーの特定が可能かどうか、放射線照射による化学反応、副作用で皮膚反応を増強させないか、コストの問題など、これまでの治療経験に基づいて必要条件を検討することができた。(全員) 2.衣服材料の検討:このようにして吟味した治療に必要な条件及び衣服形状を考慮に入れて、衣服材料の繊維の種類、糸の種類、布の構造の候補を挙げ、選定を行っている段階である。(井上) 3.測定、照射による化学反応、皮膚炎の有無の検討:主な候補材料に関して、必要な実験的検討を行っている。(佐々木、岡本) 4.風合い、皮膚との摩擦特性の検討:皮膚とさまざまな種類の衣服材料との摩擦特性に関する実験を行い、特に皮膚感覚が敏感になっている可能性を考慮して患者さんの着用感の向上を検討する研究を行っている。(井上) 5。他職種チームの結成:当初は放射線治療科の医師と衣服専門の研究者のみのチームであったが、研究とディスカッションを重ねるにしたがって必要とされる乳がんの専門医、看講士、放射線技師が参画し、多職種チームの形成を行うことができた。このことは実際の患者のニーズを汲み上げることを可能にし、実質に即した治療衣を作成するために非常に重要である。(全員)
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Research Products
(5 results)