2008 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由児の衣生活支援アクティビティとQOLの向上をめざした衣服の改善
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20500672
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
雙田 珠己 Kumamoto University, 教育学部, 准教授 (00457582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
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Keywords | 衣生活 / 運動機能障害 |
Research Abstract |
1.肢体不自由特別支援学校を対象とした衣生活教育の支援-修正衣服の展示発表および衣服の不具合点の調査- (1)日時:平成20年11月1日、11月8日 (2)場所:熊本県立松橋養護学校、熊本県立熊本養護学校の文化祭会場 (3)内容:1.修正衣服の展示と修正効果の解説、2.長袖Tシャツの修正方法、3.修正を加えたスボンの展示、4.ユニバーサルデザインの付属品の紹介、5衣服の不具合点の調査(修正長袖Tシャツのデザイン性の評価、ズボン・スカートの問題点と修正方法、衣服の修正に対する要望) (4)結果:保護者と地域の福祉関係者を中心に、多くの人が来場し、衣服の不具合点の調査では、合計187名の回答が得られた。 特に、ズボンの修正に対する関心は高く、この活動を契機に松橋養護学校への協力依頼が承諾された。 2.保護者を対象とした活動(アクティビティ)のプログラム構築と実践 (1)実施日・場所:平成21年2月27日熊本県立松橋養護学校 (2)参加者:松橋養護学校小・中・高等部の保護者12名、教員3名、研究担当者3名、ミシンの貸与および実習補助者8名(株式会社ジューキ、ニットソーイング株式会社)計26名 (3)内容:プログラムは、保護者が子どもたちの衣生活の問題に気づき、個々に衣服の問題点を話し合い、実際に修正を加えることによって衣生活が改善されることを学習する内容で構成した。今回、ディスカッションのテーマは、下衣の不具合点とし、特に、ジーンズの修正に対する具体的な要望を求めた。ただし、実習は、参加者の技術レベルを考慮し、長袖Tシャツの修正と、参加者からの要望が多かった外出用食事エプロンの製作を指導した。 (4)結果:ディスカッションでは、アンケート調査結果を参考に、下衣に対する問題点を資料として提示した。また、修正方法の検討では、1.ベルト部分にリブ編みを使用したジャージズボン、2.片手で履けるジーンズ、3.脇にマチを入れたジーンズを提示し、ディスカッションを進めた。また、各人の障害の状態、着脱の問題点、改善への要望についても併せて調査を行った。その結果、障害の状態によって、着脱改善の修正に関する要望は異なり、布の伸縮性や縫合部分の硬さによっても、着用感は大きく異なることが示唆された。また、保護者が実習で修正した衣服を子どもに着脱させ、修正効果を確認したことによって、保護者の衣服に対する意識は著しく高まり、プログラムの効果が確認された。なお、この活動は新聞、テレビニュースで紹介され大きな反響を得た。 3.試験着の試作、実験機器等の整備 実験機器等の準備は全て完了し、試験着は3名の被験者について試作中である。
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