2008 Fiscal Year Annual Research Report
靴爪先空間の換気状況を把握するためのシミュレーション実験装置の開発
Project/Area Number |
20500677
|
Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
成瀬 正春 Kinjo Gakuin University, 生活環境学部, 教授 (30156004)
|
Keywords | 衛生 / 靴 / 実験装置開発 / 換気状況把握 / 履き心地 / 二酸化炭素 / 着用実験 / ふいご作用 |
Research Abstract |
靴爪先の蒸れ感の解消と靴爪先空気の換気回数との関係を明らかにするために、歩行時の靴爪先の換気状況をシミュレートできる靴爪先換気回数測定装置の開発を行っている。 実験に使用した靴は、パンプス、ウォーキングシューズ、運動靴の3種類である。靴爪先換気回数測定装置は、靴爪先届曲部、屈曲速度制御部、靴固定部および送風部より構成した。ヒトによる着用実験は、健常な成人女性を用いた。靴爪先換気回数の測定は、内田ら(繊消誌:47305(2006))の方法を用いた。 パンプスのヒト着用時の換気回数と靴爪先換気回数測定装置の換気回数の相関係数は、0.93であり強い相関がみられた。回帰係数は0.99であった。ヒト着用時の換気回数とふいご由来換気回数の回帰係数は0.90であり、ヒト着用時の換気はふいご作用によることが推定された。ヒト着用時の換気回数と通気由来換気回数には、相関関係がみられなかった。このことは、パンプス着用時の換気にはふいご作用は関与するものの通気性の影響は少ないことが示唆された。ウォーキングシューズは、パンプスとほほ同様の傾向を示した。運動靴のヒト着用時の換気回数と靴爪先換気回数測定装置の換気回数は、0.94であり強い相関がみられた。回帰係数は0.90であった。ヒト着用時の換気回数とふいご歯来換気の回帰係数は0.31であり、ヒト着用時の換気は必ずしもふいご作用だけではないことが示唆された。ヒト着用時の換気回数と通気由来換気回数の回帰係数は0.77であり、ヒト着用時の換気は通気性が寄与することが推定される。 以上より、靴爪先換気回数測定装置の更なる改良を進める必要性が認められた。
|