2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500682
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
香西 みどり Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (10262354)
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Keywords | 浸漬米 / 糊化度 / BAP法 / FT-IR / 結晶構造 / X線回折 |
Research Abstract |
1.試料米の糊化度の測定 まず浸漬条件を20,65,75,90℃で4hとしたときの温水処理米および再炊飯米にエタノールを加え、ホモジナイズ後、脱水乾燥させた試料の糊化度をBAP法により測定した。また示差走査熱量計(DSC)により糊化開始温度、糊化ピーク温度、糊化終了温度、糊化エネルギーを測定した。その結果、めっこ飯の生成条件である65℃浸漬米では糊化度25%、75%では83%、90℃では93%となり65℃と75℃に大きな差があることがわかった。DSCの結果は65℃浸漬米の糊化温度が全体に高温側にシフトし糊化しにくくなっていた。75℃、90℃浸漬米では新たな吸熱ピークがみられなかった。 2.試料米のFI-IRの測定 FT-IRの測定結果は糊化度の情報が1000cm-1付近のピークにあらわれ、吸収の強さとBAP法のよる糊化度の値に相関がみられた。すなわち、糊化度が低い65℃浸漬米では1000cm-1付近の吸収が湯御わかった。浸漬炊飲米のFT-IRスペクトルは試料間にほとんど差がみられなかった。3390cm-1付近にピークがみられたが、これはFT-IR/ATRのダイアモンド結晶の表面に接触する水分に対応するとの報告に対応するものと考えられた。 2.X線回折の測定 浸漬条件を20,65,75,90℃で4hとしたときの浸漬米ならびに再水飯米および0.2%NaOHにより除タンパクして米粉から調製したデンプンの脱水粉末試料を調製し、これらの結晶状態をX線回折を行った。その結果、65℃浸漬処理米粉はA型図形の特徴を有するピークの強度が低く、ほぼV型デンプンの回折パターンが得られた。このことから65℃浸漬米は生デンプンの結晶構造を示すA型から糊化デンプンのV型へと変化していることが示唆された。
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