2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500683
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
高村 仁知 Nara Women's University, 生活環境学部, 准教授 (70202158)
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Keywords | 魚 / 嗜好性 / 機能性 / におい / 揮発性成分 / 抗酸化成分 / 調理 |
Research Abstract |
(1)魚類の筋肉、皮膚、内臓について、そのにおい成分の解析を行った。我が国において一般に食されている各種の魚類のうち、20年度は、最も一般的に食されている「サバ」を選び、新鮮魚および冷凍品から筋肉、皮膚、内臓を採取し、これらをそのまま、または水中で加熱(「煮る」モデル)して試料とし、これらの試料について以下の分析を行った。 (1)試料から生成する揮発性成分を固相微量抽出(SPME)法により採取し、ガスクロマトグラフおよびガスクロマトグラフー質量分析計を用いて定量・同定を行った。 (2)SPME法により採取した揮発性成分について、ガスクロマトグラフーオルファクトメトリーにより、においの判別を行い、ガスクロマトグラフー質量分析計により同定したピークと比較し、各成分のにおいへの寄与を明らかにした。 以上の結果、サバの可食部である筋肉においては、カルボニル化合物など脂質酸化に由来する揮発性物質が、そのにおいに大きく寄与していることを明らかにした。皮膚および内臓についてもほぼ同様の傾向が見られたが、さらに解析を進めている。また、新鮮魚と冷凍品ではほとんど差が見られず、水中加熱によっては、におい成分の減少が見られた。 (2)魚類の筋肉、皮膚、内臓について、それらの機能性成分の解析を行った。本年度は、サバについて、機能性成分として、高度不飽和脂肪酸(イコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA))および抗酸化成分についての測定を行った。その結果、水溶性画分に弱い抗酸化性が見られたが、成分の同定には至らなかったため、さらに解析を進めている。
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