2010 Fiscal Year Annual Research Report
多糖類ハイドロコロイドが混合食品の物性と消化性に及ぼす影響
Project/Area Number |
20500685
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
吉村 美紀 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (90240358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 陽二 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30305693)
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Keywords | コンニャクグルコマンナン / 寒天 / 分子量 / 物性 / 咀嚼性 / 多糖類ハイドロコロイド |
Research Abstract |
本課題の目的は、多糖類ハイドロコロイドの二次機能、三次機能について、混合食品における食感改善の働きと消化・咀嚼への影響についての検討である。多糖類ハイドロコロイドとして、血糖値上昇抑制機能をもつ優れた機能性食品であるコンニャクグルコマンナン(KGM)を取り上げ、海藻抽出多糖類である寒天(AG)との混合による物性への影響と咀嚼活動に及ぼす影響を検討した。本研究では、分子量の大きさが異なる3種のKGMを(LKG幅:約15000、MKGM:約100万、HKGM:約100万~200万)について濃度を変えて用いた。その結果、AGにLKGMを1%添加したゲルは、AG単独ゲルより軟らかくなり、MKGMとHKGMでは0.1%,0.2%添加により強いゲルとなった。咀嚼特性については、破断歪、破断エネルギーの物性パラメーターと咀嚼パラメーターの間に高い相関を示した。KGMの分子量が高い強いゲルが、筋電図測定においても咀嚼時間、咀嚼回数、総筋活動量が大きくなる傾向を示した。凝集性においては、咀嚼回数、振幅(中期5回と終期5回)、筋活動量の咀嚼パラメーターと正の相関(p<0.05)が見られた。本研究においてAG/KGM混合食品への添加KGM分子量および濃度の影響を明らかにすることにより、多糖類ハイドロコロイドを食品加工への使用する機会が増加し、通常の生活では不足しがちな難消化性多糖類を容易に摂取できることが期待される。また、LKGM添加は軟らかくくずれやすいゲルが得られることより、咀嚼・高齢者用食品、MKGM, HKGM添加では相乗効果により歯ごたえのあるゲルが形成され、ゼリーやヨーグルトの食感の改良、また離水を抑えることから加工食品への物性の改良に役立つことが考えられる。
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