2009 Fiscal Year Annual Research Report
雑穀を用いた含泡食品の創製技術の確立とその三大アレルギー対応食品への応用
Project/Area Number |
20500692
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
藤井 恵子 Japan Women's University, 家政学部, 准教授 (20186480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 智幸 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40228953)
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Keywords | キヌア / パン / イヌリン / 物性 / 官能評価 / 雑穀 |
Research Abstract |
【目的】生活習慣病や食物アレルギーの増加に伴い健康志向が高まる中、雑穀が注目されている。本研究では、カルシウム、鉄などのミネラルやビタミンB群、食物繊維を豊富に含んだキヌアの全粒粉末を用いて、小麦などのアレルギー表示の義務のある食材を含まずにパンを調製し、製パン性について検討することを目的とした。` 【方法】キヌアパンはキヌア粉末、砂糖、塩、イーストを用い170℃、30分間の条件で焼成した。配合割合、発酵時間、焼成条件等について検討し、品質改善のためにイヌリンを添加した。製パン性の指標としてバッターの粘度、比容積、抵抗応力、水分含量等を測定し、あわせて官能評価を行った。 【結果】小麦粉で作成するパンは通常加水量が約60%前後であるが、キヌア粉末では2倍の120%必要であった。キヌアはグルテンを含まないため、砂糖、塩、イーストのみの配合で調製したパンは内相がべたつき、比容積も小さかったが、イヌリンを添加することでパンの品質は改善され、比容積は大きく、破断応力は小さくなり、しっとりとして軟らかいパンを調製することができた。また、保存性においては5日間の冷凍保存では調製当日とほぼ同じ品質を保つことが出来たことから、冷凍保存が有効であることが示唆された。官能評価によりキヌアパンは、外はカリカリと香ばしく、ややキメが粗く苦味があるが、しっとりとして軟らかいパンであると評価された。以上の結果から、キヌア粉末のみでアレルゲン物質を含まないパンを調製することができ、イヌリン添加が品質改善に有効であることが示され、キヌアパンがアレルギー対応食品として応用できる可能性が示唆された。
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