2008 Fiscal Year Annual Research Report
岐阜県内産小麦を用いたアレルギー患者のためのパン作り
Project/Area Number |
20500698
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Research Institution | Gifu City Women's College |
Principal Investigator |
堀 光代 Gifu City Women's College, 食物栄養学科, 助教 (90320952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 宏子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (40074984)
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Keywords | 食品 / 発酵 / 微生物 |
Research Abstract |
パンを作る微生物といえば市販のパン酵母が一般的であり、失敗なくパンを作ることができる。一方、世界各地のパンをはじめとする小麦粉伝統発酵食品の中には酵母以外の多種類の微生物が存在し各国の気候風土にあった味わいのあるパンが多くある。これまで探索を続けてきた小麦粉発酵食品中の微生物はパン酵母のみではなく、Bacillus属等の微生物が複合的に存在していることが確認されている。その中で、プロテアーゼ活性の強いBacillus属の特徴のひとつに低アレルゲン化に利用されているコラゲナーゼ様酵素活性の強いものが見出されている。 本研究ではこの低アレルゲン作用に着目し、伝統発酵食品から分離された微生物酵素と酵母を用いてパン作成し、作成したパンのたんぱく質を抽出し、機能性を分析することによりアレルギー患者のためのパン作りを目指している。先人からの知恵である微生物の産生する酵素を用いたパンを作成し、低アレルゲン性の可能性を探索していくことは、小麦アレルギー患者が増加している昨今、低アレルゲンパンの研究は社会的にも意義のあるものであると考える。さらに、これまでの実験において、国内産小麦粉は外国産小麦粉よりも小麦アレルゲンが低い傾向を見出している。本年度は国産小麦粉を用いたパンが外国産小麦粉を用いたパンよりもアレルゲン性が低いことを検証し、国内産小麦粉として岐阜県内産小麦粉を用いたパンを作成した。主材料の小麦粉について岐阜県内産を用いることにより、地産地消の意義と地域の活性化に寄与できる。岐阜県産小麦の使用割合を決定し、発酵方法についてもストレート法と中種法の比較検討を行った。その後、微生物酵素を添加したパンを作成した。また、作成パンの官能評価を行うための試作と予備実験を行った。次年度以降これらのパンからたんぱく質を抽出し、その機能性を検討していく。
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Research Products
(3 results)