2008 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防を目指したホモシステイン代謝調節機構の解明
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20500708
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中田 理恵子 Nara Women's University, 生活環境学部, 講師 (90198119)
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Keywords | ホモシステイン / 葉酸 / 生活習慣病 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
葉酸が欠乏すると、細胞増殖の障害や、動脈硬化症のリスクファクターである血漿ホモシステインの上昇などがおこり、生体に様々な影響を与えることから、生体内での葉酸の機能が注目されている。しかしながら、葉酸の遺伝子発現に対する関与については明らかにされていない。そこで今年度は、葉酸欠乏モデルラットを用いて、ホモシステイン代謝に関与する酵素がどのように変化するのかを、遺伝子発現のレベルで検討した。 Wistar系雄性ラット(3週齢)を、欠乏食群(葉酸フリー)と対照食群(葉酸8mg/kg diet)の2群に分け、各実験食を自由摂取させた。一定期間飼育後、血液と肝臓を採取し、血漿と肝臓の葉酸量およびホモシステイン濃度を測定した。さらに、肝臓の各種遺伝子の発現量を、定量RT-PCRにより解析した。 血漿および肝臓の葉酸量は、欠乏4週目より有意に減少した。葉酸欠乏ラットでは、ホモシステイン代謝に関与する5,10メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR),シスタチオニンーβ-合成酵素(CBS),メチオニン合成酵素(MS)の各遺伝子発現が、対照群に対して有意に減少していた。欠乏群では、血漿および肝臓のホモシステイン濃度が4週目から有意に上昇していることから、葉酸欠乏によるホモシステイン濃度の上昇は、MTHFR,CBS,MS各遺伝子の発現によって調節されていると考えられた。さらに、葉酸欠乏ラットにおいては、ホモシステイン代謝以外に、脂質代謝に関与する酵素の遺伝子の発現が変動することも合わせて見出した。
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Research Products
(5 results)