2009 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防を目指したホモシステイン代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
20500708
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
中田 理恵子 Nara Women's University, 生活環境学部, 講師 (90198119)
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Keywords | ホモシステイン / 葉酸 / 生活習慣病 / 遺伝子発現 / 高脂肪食 |
Research Abstract |
葉酸が欠乏すると、細胞増殖の障害や、動脈硬化症のリスクファクターである血漿ホモシステインの上昇などがおこり、生体に様々な影響を与えることから、生体内での葉酸の機能が注目されている。しかしながら、葉酸の遺伝子発現に対する関与については明らかにされていない。本研究では、葉酸欠乏モデルラットを用いて、ホモシステイン代謝に関与する酵素がどのように変化するのかを、遺伝子発現のレベルで検討している。近年、脂肪肝発症時にホモシステインを含む含硫アミノ酸代謝が変化することが報告されている。そこで今年度は、葉酸欠乏時に高脂肪食を摂取した場合、どのような影響を与えるのかを検討した。SD系雄性ラットを4群に分け、葉酸欠乏(F)食とその対照(C)食(葉酸8mg/kg diet)、20%ラードを添加した高脂肪(HF)食, 高脂肪食を葉酸欠乏にした食餌(HF-F)のいずれかを8週間摂取させた。HF-Fでは、HF群に比べて有意な肝重量の増大とトリグリセリドの蓄積がおこることが分かった。また、F群よりHF-F群のほうが、肝臓中の葉酸量の減少が大きく、それに相応してHF-F群の肝臓および血漿のホモシステイン濃度は、F群に対して有意に上昇していた。さらに、HF-F群では肝臓中の過酸化物であるTBARS量の増加と、抗酸化系で作用するビタミンC量が減少していた。これは、肝臓のホモシステイン濃度の大きな増加によって、酸化ストレスが亢進したためではないかと考えられた。葉酸欠乏によって、ホモシステイン代謝に関わる遺伝子発現が減少することをすでに明らかにしているが、この発現変動に対する高脂肪摂取の影響を現在解析しているところである。
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Research Products
(3 results)