2009 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲンペプチド摂取による機能性メカニズム解明システムの開発
Project/Area Number |
20500712
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 健司 Kyoto Prefectural University, 生命環境科学研究科, 教授 (00202094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重村 泰毅 大阪夕陽丘学園短期大学, 食物学科, 助手 (20373178)
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Keywords | コラーゲンペプチド / Pro-Hyp / Hyp-Gly / 線維芽細胞 / コラーゲン / PEPT1 / 皮膚 / ペプチド |
Research Abstract |
20年度の研究により確立したコラーゲンゲル上でのマウス初代線維芽細胞を用いた細胞培養系で、新たに主要な食事由来ヒト血中コラーゲンペプチドとして見いだしたHyp-Glyがコラーゲンゲル上で線維芽細胞増殖促進効果があることを見いだした。この活性はすでに線維芽細胞増殖効果を見いだしていたPro-Hypより顕著であった。またPro-Hypに比べHyp-Glyの血中での濃度は被験者による差が大きく、被験者によるコラーゲンペプチドの効果の差にHyp-Glyの吸収の差が関係していることが示唆された。さらに、マウス皮膚から遊走してきた線維芽細胞とコラーゲナーゼ消化した皮膚から回収された線維芽細胞ではコラーゲンペプチドの増殖促進効果が異なることを見いだした。この結果は遊走線維芽細胞と、皮膚に留まっていた線維芽細胞の性質に差があり、分化程度、分裂回数の違いが、コラーゲンペプチドに対する応答に影響することを示唆する。さらに両線維芽細胞ではペプチドの輸送担体であるPEPT1の発現量が異なることを見いだした。一方、アミノ酸輸送担体の発現には殆ど差が認められなかった。これらの知見は両線維芽細胞はペプチド輸送担体の発現の差によりコラーゲンペプチドに対する増殖応答が異なり、コラーゲンペプチドの作用部位が細胞内であることを示唆する結果である。
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