2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンB1欠乏症候群の発現に関与する遺伝子の同定
Project/Area Number |
20500715
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
濱田 俊 Fukuoka Women's University, 人間環境学部, 准教授 (60282349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 香代子 福岡女子大学, 人間環境学部, 学術研究員 (20448814)
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Keywords | 栄養学 / 生体分子 / 脳神経疾患 / 遺伝子 / 脳・神経 / ビタミンB1 / 細胞死 |
Research Abstract |
チアミン欠乏高感受性マウスのチアミン関連遺伝子の多型解析:本年度はチアミントランスポータ(ThTR2)の多型解析を行った。ThTR2には複数のsplicing variantが存在することがわかり、チアミン欠乏高感受性マウスと低感受性マウスとの間でsplicing variantに違いがある可能性が見出された。今後、両系統間のThTR2転写産物についてさらに検討する必要がある。一方、塩基配列の多型は見出されなかった。 チアミン欠乏抵抗性遺伝子座の探索:チアミン欠乏高感受性マウス(雌)と低感受性マウス(雄)の雑種第一代F1の雌と低感受性マウスの雄を交配した戻し交配第一代(B1)、および、F1の雄と低感受性マウスの雌を交配したB1を作成し、チアミン欠乏実験を行ったところ、前者は低感受性の表現型を示し、後者は中間型の表現型を示すことがチアミン欠乏時の生存率解析により示唆された。この結果は、チアミン欠乏感受性遺伝子が複数存在し、少なくとも一部はミトコンドリアDNA上に存在する可能性を示唆する。現在、さらに個体数を増やし確認を進めている。 チアミン欠乏感受性候補遺伝子ノックアウトマウスによる検討:エタノール刺激によりNMDA受容体をチロシンリン酸化し、その機能を調節する非受容体型チロシンキナーゼFynに着目し、Fyn欠損マウスおよびヘテロ型マウスに対し、チアミン欠乏実験を行い、神経病理学的解析を行った。その結果、Fyn欠損マウスではヘテロマウスとは異なる脳領域に細胞死がみられる可能性が見出された。今後、細胞死マーカーを使い、より詳細な検討を行う予定である。また、シナプス小胞の放出過程に関わり、チアミン欠乏に伴って発現量が変化することが報告されているコンプレキシンIIの欠損マウスについても同様の実験を進めているが、繁殖に難があるため、本年度はチアミン欠乏実験に至らなかった。
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Research Products
(5 results)