2008 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスが味覚嗜好に与える影響に関する行動生理学的研究
Project/Area Number |
20500724
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
木本 万里 Japan Women's University, 家政学部, 准教授 (60101565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 一雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80134708)
|
Keywords | ストレス / 重力負荷 / 2瓶選択法 / 食行動 / ホルモン / irittant感覚 / 性差 / ラット |
Research Abstract |
ウイスター系ラットを用い、ストレス負荷を胎生期(妊娠14日目-出産前日まで母体に+0.5または+1.0Gの重力負荷あるいは金網拘束)と成長期から成熟期(37-65日齢に+1.0または+2.0Gの重力負荷あるいは金網拘束)に行った。ストレス負荷は1日10分間とし、対照群として無負荷を設けた。ストレス負荷による味覚の変動を生後45-68日齢で5基本味溶液とカプサイシン溶液を用い水との2瓶選択法の味覚テストで雌雄のラットについて調べた。併せて食行動変化を餌摂取量と体重変化で解析した。また終了時の血中の各種内分泌ホルモン量と血糖値を測定した。 1.ストレス種による味覚嗜好の変化:胎生期に金網拘束を受けた雄ラットはQ-HC1,カプサイシン、雌ラットではサッカリンNaへの嗜好比が低下した。また重力負荷は雄ラットのMSGへの嗜好比が増大したが、雌ラットでは変化は見られなかった。成長期では金網拘束負荷雄ラットの味覚嗜好の変化はなく、雌はスクロースへの嗜好比が低下した。重力負荷による変動は雌雄いずれも見られなかった。2.ストレス負荷を受けた時期の味覚への影響:胎生期のストレス負荷の影響は雄ラットに対して強く、irittant感覚に関係する溶液やMSGへの嗜好比が高くなった。成長期のストレスは雌雄ともに味覚変動には殆ど影響を及ぼさなかった。金網拘束(胎生期と成長期)は雌ラットの甘味溶液に対する嗜好比が低下した。3.ストレスによる味覚感受性の変化の性差:胎生期では雄ラットの方が雌よりストレスによる味覚変動が顕著にみられたが、成長期では雄には変動がなく、雌のサッカリンNaに対する変動のみが見られた。ストレスを受ける時期によりそれぞれ性差が存在した。
|
Research Products
(2 results)