2010 Fiscal Year Annual Research Report
ストレスが味覚嗜好に与える影響に関する行動生理学的研究
Project/Area Number |
20500724
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
木本 万里 日本女子大学, 家政学部, 准教授 (60101565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 一雄 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80134708)
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Keywords | 金網拘束 / 重力 / 基本味 / カプサイシン / 2瓶選択法 / 味覚嗜好性 / 性差 / SPFラット |
Research Abstract |
ウィスター系SPFラットを用い、1日10分間のストレス(金網拘束あるいは3Gの重力)負荷を幼若期における授乳期(生後1-14日齢まで)と、離乳期(生後15-28日齢まで)に行った。対照として無処置群を設けた。味覚感受性を46-67日齢で5基本味とカプサイシン溶液を用い水との2瓶選択法の味覚テストを雌雄について調べた。併せて、摂食行動変化を餌摂取量,体重変化および臓器重量で解析した。また終了時の血中の2種の内分泌ホルモンと血糖値を測定した。1.ストレス種による味覚嗜性の乙化の差異:授乳期の金網拘束により雄ラットはNaCl摂取量が増大し、雌ではスクロース摂取量が金網拘束では低下傾向、3G負荷では低下した。3G負荷は金網拘束よりNaClの摂取量増大と嗜好比の増大傾向となった。離乳期のストレス負荷の影響は雄ラットでは見られなかったが、雌では金網拘束によりQ-HCI摂量の増加傾向、3Gよりも摂取量、嗜好比も増大した。2.ストレス負荷を受けた時期の摂食行動への影響:雄ラットでは授乳期の金網拘束は体重あたりの飼料摂取量は増大したが、体重増加は抑制され、内臓脂は増大する結果となった。離乳期では3G負荷で体重増加が抑制された。ストレスの影響は雄ラットに強く、一方雌はほとんど影響は見られなかった。3.ストレスが生体に変化を起こすクリティカルな時の性差:雄ラットでは授乳期のストレス負荷(特に金網拘束)は味覚嗜好性及び摂食行動に影響を及ぼし、離乳期でのストレス負荷(3G)は体重への影響のみであった。雌では授乳期、離乳期のストレス負荷は覚嗜好性に影響を及ぼすが、摂食行動、体重への影響は見られなかった。ストレス種やストレスを受ける時期により生体への影響は性差が見られた。
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Research Products
(5 results)