2008 Fiscal Year Annual Research Report
骨量調節に関与するアルカリホスファターゼ遺伝子多型とミネラル代謝との関連について
Project/Area Number |
20500725
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
五関 正江 Japan Women's University, 家政学部, 准教授 (00170449)
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Keywords | アルカリホスファターゼ / 骨粗鬆症 / ミネラル代謝 / 遺伝子多型 / 骨量調節 / 栄養因子 |
Research Abstract |
交付決定通知を受理し(2008年11月)、本課題研究の実施を開始した。2008年度については、「研究実施計画」に記載した通り、まず、動物実験におけるin vivoの研究として、各種栄養因子(カルシウム、ビタミンなど)による臓器非特異型アルカリホスファターゼ(Tissue-nonspecific Alkaline Phosphatase:TNSALP)の活性誘導についての実験を行った。現在、実験食投与後の得られた組織サンプルについて、ALP活性測定やそのmRNA発現の比較解析を進めている(微量高速冷却遠心機)。さらにヒトを対象とした研究として、骨粗鬆症一次予防のための栄養指導プログラムを作成する目的のために、2009年2月から3月において、約100名の若年成人を対象として研究を実施した(日本女子大学倫理委員会により承認されている)。すなわち、対象者の身体計測(体重、体脂肪率など)、採血前の3日間の食事調査、食物摂取頻度調査、血液生化学検査、食生活アンケート調査、骨量測定などを行った。採血した血液からは、DNAを抽出し(微量高速冷却遠心機)、TNSALP遺伝子多型のタイピングを行っている。骨量測定については、超音波骨評価装置により、右足踵で超音波伝播速度(SOS)、超音波透過指標(TI)、音響的骨評価値(OSI)を測定した。今回のTNSALP遺伝子多型のタイプ(Tyr246His)は、骨粗鬆症発症に関連する機能的SNP(single nucleotide polymorphism)であり、研究代表者らが世界に先駆けて報告したものである(Goseki-Sone M. et al., J Bone Miner Res20:773-782,2005)。TNSALP遺伝子多型と栄養素の摂取状況、血中骨代謝マーカーや骨量などとの関連について、男女別に比較し解析を進めることにより、TNSALP遺伝子多型による骨量調節メカニズムを各種栄養因子などとの関連から明らかにすることができ、骨粗鬆症予防のために有用なデータが得られることが期待できる。
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