2008 Fiscal Year Annual Research Report
トコトリエノールの体内プロドラッグ作用とその機能解明
Project/Area Number |
20500726
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
清瀬 千佳子 Kanagawa Institute of Technology, 応用バイオ科学部, 教授 (50272745)
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Keywords | ビタミンE / トコトリエノール / ビタミンE体内代謝物 / CEHC / ECD-HPLC法 |
Research Abstract |
H20年度はビタミンEの体内代謝物であるカルボキシエチルヒドロキシクロマン(CEHC)体の組織中での定量方法を確立することを目的として行った。測定法としてはLC-MSを用いてする方法かECD-HPLCを用いて行う方法の2つが考えられたが、今回はECD-HPLCを用いて定量する方法の確立を行うことにした。これまで、申請者は尿中ならびに血中のCEHC体の定量法を確立することに成功し、すでに論文化している。しかし、同様の前処理で定量できるかどうかは明らかになっていなかったので、前処理法を再度検討することにした。本方法はメチル化を行うことで抱合体を切断し、メチル基を結合させることで安定化するのが特徴である。そこで、ラット肝臓にα-CEHC、γ-CEHCと内部標準のTroloxを添加し、回収率を見たところ、50%以下と非常に悪い結果となった。そこで、サンプルを最初に凍結乾燥を行うのであるが、その時に添加する抗酸化剤であるアスコルビン酸の量を5倍にしたところ、添加回収率は上昇したが、80%程度に留まった。そこで、新たにヘキサン層に脂溶性抗酸化剤であるBHTを添加したところ、γ-CEHC、Troloxとも95%以上の回収率を得ることができた。現時点では、内部標準としてTroloxを用い、組織中のγ-CEHCを定量することが可能となった。そこで、四塩化炭素投与による肝障害をおこさせたラットの肝臓中のγ-CEHC量を測定したところ、四塩化炭素投与によってγ-トコフェロールからγ-CEHCへの代謝が阻害されている可能性が示唆された。α-CEHCに関しては不安定で、この条件では回収率が80%に留まった。そこで、現在はさらにα-CEHCも安定に測定できるようにBHT量を変えて検討を行っている。
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