2009 Fiscal Year Annual Research Report
トコトリエノールの体内プロドラッグ作用とその機能解明
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20500726
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
清瀬 千佳子 Kanagawa Institute of Technology, 応用バイオ科学部, 教授 (50272745)
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Keywords | ビタミンE / γ-トコトリエノール / γ-トコトフェロール / γ-CEHC / CEHC定量法 / プロドラッグ作用 / 高食塩食摂取 / 尿中ナトリウム排泄量 |
Research Abstract |
昨年度、ビタミンEの体内代謝物である、α-CEHC、γ-CEHCの体内組織中からの定量法の確立を試み、今年度はその続きの検討を行った。前処理段階で、かなり酸化されてしまっていることが推察できたことから、水溶性抗酸化剤として、アスコルビン酸を添加すると同時に、ヘキサン溶媒に脂溶性の抗酸化剤であるBHTを添加したところ、肝臓、腎臓、脳からは99~100%の非常に良好な添加回収率を得ることができた。しかし、脂肪組織からは良好な回収率が得られなかったことから、脂肪組織以外は定量が可能となった。そこで、高食塩食を一ヶ月間摂取させたラットにγ-トコフェロール及びγ-トコトリエリノールをそれぞれ単回で投与した時の肝臓、腎臓でのγ-CEHCの生成について検討を行った。その結果、γ-トコフェロールよりはγ-トコトリエノールの方が肝臓において腎臓においても素早くγ-CEHCに代謝されていることが明らかとなった。しかし、γ-トコフェロール及びγ-トコトリエノール投与によるナトリウム利尿作用におけるプロドラッグ作用の比較検討においては、明白なプロドラッグ作用は見られず、また2つのタイプのビタミンEにおいても差は見られなかった。以上の結果より、高食塩食摂取時のビタミンEのプロドラック効果には摂取している食塩量と投与したビタミンE量との間で作用域が存在する可能性が示唆された。来年度は、食塩摂取量と投与したビタミンE量との間の作用点を明確にし、プロドラッグ作用を示すビタミンE量について決定したいと考えている。
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