2008 Fiscal Year Annual Research Report
豆類から機能性成分の検索とその応用開発に関する研究
Project/Area Number |
20500730
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 弘美 Kobe Gakuin University, 栄養学部, 教授 (80068254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 裕香 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (20368484)
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Keywords | 雑豆類 / 小豆 / 脂肪酸位置分布特性 / トリアシルグリセリン / トコフェロール / 分子種特性 / アシル脂質 / リン脂質 |
Research Abstract |
平成20年度は豆類として小豆(5品種)を選び、脂質成分、n-3系ならびにn-6系脂肪酸分布特性、脂肪酸位置分布特性、トリアシルグリセリン(TAG)の分子種特性および抗酸化成分を5品種間で詳細に比較検討した。その結果、小豆のビタミンE同族体は、δ-トコフェロール(78%)とγ-トコフェロール(22%)であり、これら以外のトコフェロール同族体は全く検出されなかった。主な脂質成分はリン脂質(63%)とTAG(23%)であり、これら以外の成分は際めて少量(0.2-5.1%)であった。主要脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸(n-9)、リノール酸(n-6)そしてα-リノレン酸(n-3)であった。そして17種類のTAG分子種が検出され、SMD、S_2T、SD_2、SMT、MD_2、SDT、D_3およびST_2の8成分が主な分子種であった。さらに脂肪酸の位置分布特性は若千の例外は見られるが、TAGとリン脂質のsn-2 positionには不飽和脂肪酸「(リノール酸(n-6)とα-リノレン酸(n-3))が分布し、sn-1またはsn-3 positionには飽和脂肪酸(パルミチン酸)と(ステアリン酸)が分布していた。得られた結果は5品種間による有意な違いは見られなかった。大豆、ゴマ、ナタネ等の油糧種子とは異なりリン脂質等を主体とした典型的な細胞膜の構築成分によるためである。これらの成果はヒトが小豆を摂取した後、生体内で脂質の消化・吸収ならびの脂質代謝を考える上で重要な知見が得られたものである。 以上の成果は、小豆を用いて納豆、あんの製造、和菓子等の製造に際して食品加工業者や消費者、さらに学童の食育教育に携わる栄養教諭にも有益な知見を提供するものと考えられる.
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Research Products
(9 results)