2010 Fiscal Year Annual Research Report
豆類から機能性成分の検索とその応用開発に関する研究
Project/Area Number |
20500730
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 弘美 神戸学院大学, 栄養学部, 教授 (80068254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富山 裕香 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (20368484)
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Keywords | アシル脂質 / 小豆 / 脂質成分 / 脂肪酸位置分布 / 蚕豆 / トコフェロール類 / トリアシルグリセリン分子種特性 / リン脂質 |
Research Abstract |
平成22年度は豆類として蚕豆4品種および小豆5品種を選び、抗酸化成分、脂質成分、n-3系ならびにn-6系脂肪酸分布特性、脂肪酸位置分布特性およびトリアシルグリセリン(TAG)の分子種特性を比較調査した。その結果、抗酸化成分であるビタミンE同族体は、蚕豆でγ-トコフェロール(97%以上)とδ-トコフェロール(2.8%以下)が分布していた。小豆でδ-トコフェロール(78%)とγ-トコフェロール(22%)が分布していた。豆類間では特徴的な分布パターンが観察されたが、蚕豆および小豆とも品種間による有意な違いはなかった。主な脂質成分は蚕豆でリン脂質とTAGは同程度(50%)であり、小豆でリン脂質(63%)とTAG(23%)構成されていた。これら以外の脂質成分は両種子とも際めて少量(0.2-5.1%)であった。また、主要な脂肪酸はパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸(n-9)、リノール酸(n-6)およびα-リノレン酸(n-3)であった。TAGの分子種は蚕豆で14種類が検出されて、主な分子種はMD_2とD_3の2種類が圧倒的に多く、それ以外にS_2D、SD_2、SMT、M_2Dなども検出された。小豆で18種類が検出されて、主な分子種はS_2T、SD_2、SMT、SDT、D_3、MT_2、D_2T、DT_2とT_3の9種類であった。脂質成分、トコフェロール同族体の組成、脂肪酸分布およびTAGの分子種特性には、両種子とも品種間による有意な違いは観察されなかった。その化学的な根拠は、これらの豆類は脂質含有量は約2.0%であり、貯蔵脂質に比べて細胞膜の構築成分であるリン脂質が主な成分のためと考えられる。 以上の研究成果は、蚕豆および小豆を用い、あんこ、納豆、和菓子などの製造に関して消費者や食品製造業者に有益な知見を供与するものである。
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Research Products
(8 results)