2008 Fiscal Year Annual Research Report
食生活改善による血管のアンチエイジング戦略ー栄養学による血管内皮機能の改善ー
Project/Area Number |
20500736
|
Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
田川 辰也 Seinan Jo Gakuin University, 保健福祉学部, 教授 (50347142)
|
Keywords | 血管内皮機能 / メタボリックシンドローム / 栄養学的介入 / 動脈硬化予防 / アンチエイジング |
Research Abstract |
アルギニンは一酸化窒素(NO)を産生させるNO産生酵素(NOS)の基質で、ヒトにアルギニンを動脈注射すると血管内皮機能が改善される。しかし、アルギニンの経口投与による血管内皮機能に対する影響は明らかではない。アルギニンの経口投与によりNO産生を主体とする血管内皮機能が改善するのであれば、アルギニンの摂取は虚血性心臓病、脳血管疾患などの生活習慣病の発生を予防することが期待できる。本研究では、L-アルギニンを含有したアイソカル^<[○!R]>・アルジネード^<TM>の長期経口投与がヒトの前腕血管拡張機能に及ぼす影響について検討した。対象は20代若年健康女性9名、静脈閉鎖プレチスモグラフ法を用いて安静時及び5分間の疎血後に生じる反応性充血時の前腕血流量を測定した。また採血にて、総コレステロール、HDL-コレステロール、中性脂肪、遊離脂肪酸、高感度C反応性蛋白(CRP)、NOxを測定した。アイソカル^<[○!R]>・アルジネード^<TM>を1本/日4週間投与後に再び安静時及び反応性充血時の前腕血流量測定と採血検査を実施した。結果、アイソカル^<[○!R]>・アルジネード^<TM>投与前後で安静時と反応性充血時のピークの前腕血流量には変化がなかったが、ピーク後の前腕血流量は増加し、flow dept repayment (FDR)が増加した(1.3±0.5 vs 1.9±0.9:p<0.01)。採血検査では総コレステロール、中性脂肪、HDL-コレステロール、高感度CRP、NOxの値に有意差はなかったが、遊離脂肪酸は有意に減少した(0.49±0.12mEq/L vs 0.15±0.08mEq/L:p<0.01)。以上の結果より、アルギニン投与は、血管内皮からのNOの産生増加および遊離脂肪酸低下による脂肪毒性が減少により、血管拡張機能(血管内皮機能)を改善したと考えられる。
|
Research Products
(8 results)