2008 Fiscal Year Annual Research Report
ファストプランツを生物教材とした初等から高等教育までの教育プログラムの新展開
Project/Area Number |
20500743
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
石澤 公明 Miyagi University of Education, 教育学部, 教授 (10125495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 茂 京都府立大学, 農学研究科, 教授 (40108428)
吉岡 俊人 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (10240243)
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Keywords | ファストプランツ / 植物栄養 / 光合成 / 花粉管 / 植物の成長 / 光補償点 / 遺伝学 / 水耕栽培 |
Research Abstract |
ファストプランツを生物教材とした学習プログラムの開発として、20年度設定したテーマの内、三つについて当初目論んだ以上の成果を上げることが出来た。 1) 「水耕栽培システムの開発」については、ペットボトルを利用した水耕栽培システムを確立し、土壌培養と変わらない生育を示す水耕栽培用培地として園試処方液が有効であることが明らかになった。他の幾つかの水耕栽培用培地と比較した結果、塩素イオンがファストプランツの生育に極めて重要な役割があることが示唆され、植物栄養学の知見として塩素イオンの働きに新規性があると判断され、21年度の植物学会での発表を予定している。 2) 「光合成活性と生育との関係」では、高等学校の教科書で必ず取り上げられる光強度と光合成活性との関係が、最終的生育量と相関することを、LED光源を用いた実験により示すことが出来るようになった。生活環が40日前後であるファストプランツを使うことで実現できる、光合成を学ぶ新しい学習プログラムである。 3) 「有性生殖課程の学習プログラム」では、アニリンブルーによる蛍光染色により、花粉管が柱頭から花柱を通して胚珠まで至ることを観察出来るプログラムを開発した。この方法は、蛍光顕微鏡を必要とすることから、学校現場での普及は難しい。そこで現在、普通光学顕微鏡での観察を可能にする方法を検討している。 4) 宮城教育大学の初等教員養成課程で開講している「生活」及び、初等、中等教員養成課程での生物学実験で、ファストプランツを使った「植物を育てる」と「花の形態を含む植物の形態の学習」を実施した。更に、宮城県立宮城第一高等学校での課題研究での指導と平成21年度群馬県万場高校とのSPPで「ファストプランツを使った遺伝の法則の実験・検証」の連携事業を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)