2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラオスにおける科学教育研修成果の教員養成校への浸透・波及効果の研究
Project/Area Number |
20500755
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
跡部 紘三 四国大学, 附属人間生活科学研究所, 研究員 (90027467)
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Keywords | 開発途上国 / 理数科教育 / 教育改善 / 教材活用 / 実験・観察 / 研修効果 / ラオス |
Research Abstract |
ラオス国教育省の要請で,約10年間試行も含めて主に現地で実施してきた理数科教育研修会(SMATT)の教員養成校等におけるその効果の浸透・波及効果を調査して,今年度で3年度目となる。このことから研修生であった教員の教員養成学校(TTC, TTS)での研修に基づく教育活動は一応なされていると考えることができる。 この年度の研究計画に沿って3回目の現地での調査(調査期:2010年8月28日~9月3日)を行った。調査場所は,首都ヴィエンチャン郊外にある3種の学校と市内の教育省教員養成局で行った。Tanhmixay地区にある私立小学校(Nakhoneheuang Sch.)はSMATTに参加した関係者が触発されて,これからのラオスに必要な学校を設立したものである。このことから,研修の波及効果をここに見ることができた。また,この近くの国立ラオス大学教育学部附属小学校(ブンタン・ブンシャボン校長)も研修を受けた教員が指導している附属校でここでも研修の影響を調べた。更に,SMATTの研修効果が反映しないTanhmixay地区の公立中学校(ペッサラ・シンマウンサ校長)を比較のために訪問調査した。これ等3校では校長へのインタビューと児童・生徒への算数問題のテストを実施した。研修効果の調査結果に加えて,私立校,附属校,公立校それぞれの特徴を掴むことができて,ラオスの教育のおかれている現状やその問題点が明らかになってきた。 最後の訪問は教育省教員養成局に最近新設された教師教育評価部門の副部長(SMATT研修のラオス側リーダーの一人)に会い,これまでの調査結果を示し,SMATT研修参加者の全員と全教員養成校による更なる教育改善を進めていくことを確認し,現状の問題点を明らかにした。 これまでの調査結果の一部は『理科,数学と技術教育に関する国際会議(SMTE2010)』で発表し,また一部は審査付欧文論文としてまとめて国際誌に発表することができた。今後も更に調査結果をまとめて発表していく予定である。
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