2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500756
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
前原 俊信 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (50190319)
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Keywords | 回路 / 交流 / シミュレーション / マルチメディア教材 / 電位 / 3次元 |
Research Abstract |
高等学校の物理において理解が難しいコンデンサやコイルを含んだ交流回路の動作を分かりやすくするため,各瞬間における回路の各部の電位の様子を3次元的なイメージで表現できるような教育用シミュレータを開発している。 直流回路にっいては,任意の簡単な回路において電位と電流を解析し電位を3次元的に表示するアプリケーションを開発していたので,この直流回路シミュレータを改変して交流回路シミュレータを作成した。電池の代わりに交流電源とし,複素インピーダンスを用いた回路解析を行うことで実現した。また,新たな素子としてコンデンサ・コイルを使えるようにした。 直流回路シミュレータでは電位を3次元的に表現するだけだったが,交流回路シミュレータでは,電位の変化に対応して3次元的な表示も時間的に変化させることとともに,コンデンサに貯えられている電荷やコイルに生じている磁束をも表示できるようにした。この表現方法については,少し簡易なシミュレータを開発して検討した後,交流回路シミュレータに組み込んだ。 開発した交流回路シミュレータを用いて試行授業を行い,コンデンサやコイルの表現法についての評価を得るとともに,改善点を抽出した。電流の流れを矢印で表す機能を追加した。コンデンサやコイルの3次元な表示についてはまだ充分な表現とはいえないが,教材としては好意的な評価が得られたので,今後,さらに改良を進めていく予定である。
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