2008 Fiscal Year Annual Research Report
太陽観測衛星「ひので」の観測データを中核とした太陽学習教材の開発と実践
Project/Area Number |
20500763
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
矢治 健太郎 Rikkyo University, 理学部, 特任准教授 (10399305)
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Keywords | 太陽 / ひので / FITS / マカリ / 太陽黒点 |
Research Abstract |
本年度は、太陽観測衛星「ひので」の観測データを中核として、太陽学習教材の開発を行った。教材開発を行う上で、天文学会の年会、宇宙天気サマースクール、野辺山データ解析ワークショップに出席し、ひので衛星の最新研究成果等の情報収集を行い、また研究会出席者らと情報交換を行った。 今年度は、特に、ひのでの可視光磁場望遠鏡(SOT)のRGBの3色データを使った、粒状斑の温度測定の教材開発に努めた。この教材開発には、山村秀人(滋賀県立愛知高等学校)、時政典孝(兵庫県立西はりま天文台公園)の尽力により、粒状斑の具体的な温度を概算するまでに達成した。今後はいかに教材化するという作業に移行する。 山村は、矢治との共同研究により、国立天文台三鷹の可視光データを用いて、黒点温度測定の教材を開発しており、天文学会で報告した。 研究成果については、国内の学会や研究会で4件、国際会議でも2件の発表を積極的に行っている。また、すでに開発済みの多波長による太陽画像を比較する教材は、2校の中学校で実践を行っている。 1月31日には、太陽教材ミニワークショップを開催し、大学、学校教育、公開天文台・科学館関係者を中心に11名が参加した。ひのでデータに関するレビューを行い、各参加者から太陽教材のアイデアを紹介しあった。「プロミネンスの速度測定」「黒点データベースの構築」など興味深い話題が出た。まだ構想段階のものが多いが、今後実現していきたい。 来年度は、すでに開発済みもしくは開発中の教材を、教育現場等で実践し、評価を行いたい。
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