2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ電池教材の開発とそれを利用した環境・エネルギー・バイオの多面的教育
Project/Area Number |
20500768
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
三木 功次郎 Nara National College of Technology, 物質化学工学科, 准教授 (80259910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 一光 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 准教授 (00259912)
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Keywords | バイオ電池 / 酸化還元反応 / 電極反応 / 科学教育 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
1.バイオ電池の教材化 バイオ電池を教材とするために、安価なパン酵母を生体触媒として用いて製作コストの低減を目指すと共に、安全かつ簡便に製作できるバイオ電池の開発を目指した。パン酵母による糖の酸化を利用し、各種電子伝達メディエータを介して、負極への電子移動を実現した。電子伝達メディエータとしては、酸化還元電位が低く、パン酵母による還元速度も速い2-メチル-1,4-ナフトキノン(ビタミンK_3)が適していると分かった。また、正極での反応はヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムを用いて、酸素の還元が行えることが分かった。また電極素材にフェルト状炭素を用いると電極面積が大きいため、大きな電流を得られることが分かった。効率よく電流を取り出すために、酸化電位および還元電位を下げる必要がある。このため、電極表面の化学修飾について検討が必要であり、金属ナノ粒子に着目し、有機溶媒中に自発的に形成されるナノ分子集合体を利用した金属ナノ粒子の調製条件について検討を行った。モデル金属としてパラジウム(Pd)及び金(Au)を使用し、分子集合体中で還元反応を行って各ナノ粒子の調製を行ったところ、直径約4nmの均一な球状ナノ粒子の調製に成功した。また、アルキルチオールまたは親水部位を有するアルキルチオールをコーティング材として導入することにより、有機溶媒並びに水に安定に分散可能なナノ粒子の調製に成功した。 2.授業カリキュラム 授業カリキュラムに関しては、生体内での電子伝達系によるエネルギー生成系と電池について、授業方法を検討し、高専レベルでのテキスト作成を開始した。
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