2009 Fiscal Year Annual Research Report
バイオ電池教材の開発とそれを利用した環境・エネルギー・バイオの多面的教育
Project/Area Number |
20500768
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
三木 功次郎 Nara National College of Technology, 物質化学工学科, 教授 (80259910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 一光 奈良高専, 物質化学工学科, 准教授 (00259912)
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Keywords | バイオ電池 / 酸化還元反応 / 電極反応 / 科学教育 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
1.バイオ電池教材の開発 バイオ電池を教材とするために、パン酵母を生体触媒として用いて製作コストの低減を目指すと共に、安全かつ簡便に製作できるバイオ電池の開発を目指した。電極としては、正極・負極共に電極面積の大きいフェルト状炭素を用いた。負極活物質にパン酵母とエタノールおよび2-メチル-1,4-ナフトキノン(ビタミンK_3)を用いたところ、パン酵母によって還元されたビタミンK_3の酸化反応と、正極活物質に用いたヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの還元反応により、電池が構成できることが分かった。電池の容器には使い捨て注射器を用いて、小・中学生においても簡便に作製できるように工夫した。この電池に100Ωの抵抗を接続したところ、0.3~0.4Vで3~4mAの電流出力が取り出せることが分かった。 効率よく電流を取り出すために、電極表面の化学修飾について検討が必要であり、金属ナノ粒子に着目し、有機溶媒中に自発的に形成されるナノ分子集合体を利用した金属ナノ粒子の調製条件について検討を行った。反応媒体として分子集合体を利用し、金属ナノ粒子の調製を行った。モデル金属として金、鉄、パラジウムに着目した。有機溶媒中に自発的に形成させたナノメータースケールの分子集合体内で金属イオンを還元することにより直径数nmの金属ナノ粒子の調製に成功した。また、そのサイズ、形状は有機相中の水分量及び有機溶媒種によって変化した。さらに粒子コーティング剤を巧みに選択することにより溶媒中における粒子分散性が制御可能であることを明らかにした。 2.実験カリキュラム 実験カリキュラムに関して、高専レベルでのテキスト作成のために、生体内での電子伝達系によるエネルギー生成系と電池との関連について、授業方法の検討を行った。
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